もしかして、『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』のオニ一族は、その暴力性と異質性、そして敗者となった結末ゆえに「鬼」と呼ばれただけで、 生物学的には人間かそれに近い存在なのではないでしょうか? そう思った根拠をいくつか述べます。 ▼ 容姿:作中のオニ一族は時空の歪みの影響で変身能力を得ただけで、本来の歴史では終始人間の姿であったとされます。 能力:外付けの力である変身能力を除いた彼らは、他の人間より強靭な肉体を持つ程度です。 『電王』においては、歴史改変の影響を跳ねのける超常的な存在である特異点すら明確に人間とされますので、多少の特殊能力は人間ではないと言う根拠にはなりません。 室町時代の人間社会になかった、「鬼の戦艦」を作る技術力は、生物学的な能力とは別だと思います。 世界観:『電王』シリーズにおいては、それまで時の運行に関係する超常現象(時の列車やイマジン、特異点など)を除けば、『さらば仮面ライダー電王』の幽霊程度しか超常存在がいませんでした(もしかしたら私が見落としているだけで、他にも超常存在がいるかも知れませんが)。 また、イマジンや幽霊は、元は人間であった存在であり、独立した異種族ではありません。 それならば、オニ一族が人間かそれに近い生物であったとする方が、世界観には馴染みます。 作中のセリフ:ミミヒコの「お前たちィ!一匹残らず退治してやらァ!!!」、クチヒコの「そう、負けた方が「鬼」なのだ。それが歴史だ」と言う言葉から、敗者となったコミュニティであるために「鬼」扱いされている事が窺い知れます。 『仮面ライダー図鑑』での記述について:『仮面ライダー図鑑』では、「種族:人間」と記される登場人物たちと違って、クチヒコやミミヒコは「種族:オニ」と記されています。 しかし、『仮面ライダークウガ』のグロンギたちは、『仮面ライダー図鑑』で「種族:人間」ではなく「種族:グロンギ族」と記されていながらも、『仮面ライダークウガ超全集 最終巻』p36では「ヒトと生物学上同じ存在」と記載されています。 この事から、『仮面ライダー図鑑』における種族欄は、生物学的には人間であったとしても、作中で人間と区別されているなら人間と記載されない場合もある事が分かります。 ただし、同じく「ヒトと生物学上同じ存在」でありながら自分たちと人間を区別していた『仮面ライダーゴースト』の眼魔たちは、『仮面ライダー図鑑』では「種族:人間」扱いされますので、作品・集団によっても扱いが違うと思われます。