【近畿地方のある場所について】の感想をお願いします。私は単行本のみ読みました。 私としては物足りなさを感じました。 もう少し後半まで恐怖や不気味で引っ張って欲しかった。 途中から悲哀・愛情のような人間ドラマに重点がシフトしてしまったのが残念。 正直、主人公とヒロイン(元妻)の愛情関係などどうでも良いです。 主人公は編集者で、この「近畿地方の~」という作品自体が主人公による刊行物というメタ設定だと思うのですが、だとすれば尚更後半の人間ドラマ的描写が余計です。 ヒロインの行方について情報求むという読者への要請が作品のスタンスですが、作品を読めば分かる通り、怪異によって行方不明になった訳ではないので、読者(オカルト通)に問いかけても無意味です。 それに気づかないくらい主人公が怪異に侵され倒錯しているとも読めますが、いちおう作品として「刊行」したていなので、出版社がOKを出していることになり、違和感が残ります。 ホラー要素自体への評価ですが、「近畿地方のある場所」周辺で起きる怪異が全て1つの因子(ましろ様?)に起因すると見せかけて、実はそれとは別の因子(ヒロイン母の怪異)もあったという「裏切り」は良いと思いました。 ただ、ましろ様にしろヒロイン母にしろ、怪異化した動機が「嫁がいない」とか「家族を亡くした」みたいなあまりに「人間的」で分かりやすいものなので、拍子抜けしました。 皆さんはどう思いましたか? 本でも映画でも良いので感想をお願いします。