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by chekosan
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京都で「描かれた加害-坂本正直が向き合った戦場体験-」「阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々」「水俣・京都展」を見る


そろそろ年内の授業も終わりに近づいてきた先週末、またまた上の息子(ウエムス)と、京都で展覧会めぐりをしてきました。

立命館大学国際平和ミュージアムと、「水俣・京都展」です。

ウエムスが、教職の授業で、どこか博物館などを見学するという設定で授業計画を立てるという課題が出たので、今までに行ったことがないところに行きたいと言うので、それなら立命館の平和ミュージアムに行こうということになりました。

常設展は、前回行った時は混雑していて見づらかったのですが、今回は落ち着いて見ることができました。

植民地支配など戦争の原因や加害の側面にも焦点が当てられている立命館らしい展示に、初めて来たウエムスも他との違いを感じて面白かったようです。

常設展の図録を購入
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時間が来たので、企画展示「描かれた加害-坂本正直が向き合った戦場体験-」のギャラリートークへ。こちらは写真もOKです。

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坂本正直さん(1914~2011)は、宮崎生まれの画家。輺重兵として中国・台湾で二度、従軍し、復員後は美術教師を務めながら、生涯にわたって戦争をテーマに作品を作り続けたそうです。

この日は、娘さんがギャラリートークをされました。それによると、坂本さんは戦後しばらくは抽象画を描かれていたそうなのですが、だんだんと具象画を描かれるようになったとのこと。軍隊では馬を扱う任務にあったので、絵にも馬が描かれることがたいへん多かったそうです。

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そして、縛り上げられている捕虜の絵や、爆撃で手首が飛んできた瞬間を描いた絵なども。


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おそらく、絵を描くことで、トラウマを乗り越えられていかれたのではないかというようなお話をされました。

坂本さんが寝付かれて、介護のために荷物を整理しているうちに、娘さんは大量の作品を整理し、公表していこうと決意されます。

全作品を撮影するのはたいへんな労力だったそう。インターネットで公開されています。 ☞坂本正直記念館

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いただいた資料類
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もうひとつの企画展「阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々」は、この日が最終日でした。見れて良かった! 

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阿波根昌鴻さん(1901-2002)は、沖縄島北西部の伊江島で、戦後、米軍による強制的土地接収が始まった際、非暴力の土地闘争をリードして、その後に沖縄で展開される「島ぐるみ闘争」への端緒を開きました。

この企画展では、阿波根さんが残した写真を中心に展示していました。

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ショックだったのは、ベトナム戦争時、米軍が伊江島に、核模擬爆弾を大量に落としていたことです。

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地面には大きな穴が開き、死傷者も出ました。なんちゅうことしとんねん…

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でも、クリスチャンの阿波根さんは、非暴力抵抗を貫いたそうです。

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そんな阿波根さんは、伊江島にデンマークをモデルとする農民学校をつくろうとされていたそうです。

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今年観た映画のなかでもかなり良かった「ぼくの家族と祖国の戦争」にも出てきた、デンマークの市民大学!
まさか沖縄の反戦活動と繋がっていくとは!

この企画展、とても心揺さぶられたので、写真集や資料を買いました。

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ウエムスは中学校の修学旅行で伊江島に行って地元のお家に泊まらせてもらっています。ぬちどぅうたからの家にも行っているそう。いいなあ!

近くの和食レストランでお昼を食べて、市バスで岡崎公園のみやこめっせで開催中の「水俣・京都展」へ。

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水俣病は、秋学期に開講している同志社の「「負の遺産」と政治」という科目で必ず取り上げています。学生の間でも関心が高いテーマで、この翌日にも、この展覧会の報告をしてくれました。

この展覧会は撮影ができなかったので写真はないのですが、企業や行政の責任(むしろ無責任な態度というべきか)をしっかりと追及し、市民の分断や偏見、差別心についても目をそらさず取り上げていて、たいへん濃く、ガツーンとくる展示でした。

水俣病と海を汚染した原因をつくったチッソは今も操業していて、私たちの生活で普段使うさまざまな物の素材をつくっていることも示され、他人事と思っていてはいけないことを突きつけられました。

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すっかりぐったり疲れたので、徒歩10分くらいのポーランドカフェ MAX1921 Book Cafe さんで休憩~


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大好きなアップルケーキで元気回復

この前日にお互い大学のあとに天王寺まで移動して美術展を見て、この日は朝から立命館と水俣展。濃厚な2日間でした。どれも良かった!

週明けの授業では、世界報道写真展でみんなが選んだ一枚を聞き、水俣展見学の報告を発表してもらいました。他にも水俣展に行った学生さんがいて、とても盛り上がりました。







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by chekosan | 2024-12-27 00:32 | 負の遺産/記憶と継承 | Trackback | Comments(0)