男の純情、、、?

子供時代からなんでも読む悪い癖のせいでろくでもないコラムを記憶している。

半世紀近く前、私が小学生時代に読んだ

「娘が嫁にいってようやく娘と同世代の女を抱けるようになった」のエピソードを

「いーい、話!」と持ち上げる内容で、

これを「いい男のちょっといいお話」としてコラムに書く理解しがたい感覚、

要するに「これが本物の「男」ってもんだよ」と男が男を称賛する、

娘を嫁に出したから娘と同じ世代の若い女とセックスできるようになることの

どこが「いーい話!」なのか、いまだ私にはよくわからない。

要するに娘が嫁にいくまで娘と同じ世代の女には手を出せない、

その男の「純情」「誠実さ」を見よ!なんて、どこが誠実で純情なのか、

令和の時代、こんなうわごとを書こうもんなら、

現在上川外相が叩かれている以上のバッシングを受けてほしいものだと思うが、

頭のおかしな自分の親世代の男につきまとわれた挙句に

たった25歳で殺された女性を叩く人間がネット上に山ほどいるのを見ると、

いつまでたっても「男の純情!」なんて言い出す連中にろくなのがいない。

「娘が嫁にいって初めて娘と同世代の女を抱ける!」のどこが純情で誠実か、

私がいまだ忘れられないのはそのコラムニストは

その行動がどれほど家族を、娘を大事にしているかの「証拠」であると、

夜の世界の女であっても、娘と同世代なら娘が嫁にいくまで手を出さないでいられる、

それが男の「純情!」「誠実さ!!」と言われても、

つまりは、自分の娘に対しても性欲を感じる親父が存在する、

自分の娘には最悪手を出さなくても、娘の友達には手を出すかもしれない、

それを当たり前と思う人間が案外世間にはあふれているという事実で、

子供だった私はしみじみ男には気をつけよう、と思ったものだった。

男が女を断罪する言説を昂然と発するネットを見て、

その「私刑」支持は「悪い女を始末したこの男気!」の自画自賛ぶりで、

ただの親父の薄汚い性欲を自分の娘と絡める気持ちの悪いコラムを

私に思い出させたのでした。

親世代からのむき出しの性欲なんて、若い女の子にとっては性暴力で

山ほど金でも貰わないと命を削られるの感覚がネットに浸透しない不思議さは

なんといってよいのやら。

まあ「男の純情」なんて言い出す連中にろくなのはいない、のご理解で。おわり。