かつて「世界の工場」と呼ばれた中国広東省深センは今や「ハードウエアのシリコンバレー」になった。驚くべきスピードで次々に製品を生み出す独自のエコシステムに対し、日本企業の関心も高まっている。その深センを中心に、世界各地の「メイカームーブメント」なども取り上げながら、ものづくりとイノベーションの未来を探る。
シリーズ
「世界の工場」の明日
108回
アリババのスモールビジネス支援イベントに見る中国経済の成熟
中国のアリババ集団は7月17日から25日まで、上海で淘宝造物節(タオバオ・メーカー・フェスティバル)を開催した。タオバオ・メーカー・フェスティバルは2016年から開かれており、小企業や個人がビジネスをすることを支援するためのイベントだ。出展者も趣味的・オタク的な小企業が目立つ。
ニセモノチップ解析から見えてくる半導体産業のイノベーション力
筆者は2020年から金沢大学の秋田純一教授ら数人のメンバーと「分解のススメ」というイベントを開催している。スマートフォンや玩具など様々なハードウエアを分解してプレゼンテーションする、分解だけにフォーカスしたTEDのようなイベントだ。
半導体不足で勢いづく中国・深圳の中古チップ市場
半導体はムーアの法則により急速に性能が向上し、同じ性能のものであれば価格が低下することは多くの人が知っているだろう。その一方で、物理的な劣化が小さいため、同じ製品が長く売られるという特徴もある。
半導体不足で激変する「世界の工場」深圳のフレキシブル生態系
「今回の半導体不足は、深圳製造業の姿を変えそうだ」。広東省深圳市に拠点を置くJENESISの藤岡淳一社長はこう語る。同社は「世界の工場」である深圳のサプライチェーンを活用してIT機器を開発・製造しており、数多くの日本企業を助けてきた。
猛威を振るうコロナ変異株vs中国政府のゼロコロナ対策の行方
筆者が住んでいる中国南部の広東省では、デルタ株と思われる新型コロナウイルスの変異株が上陸し、大規模なPCR検査が行われている。また一部地域では移動制限が実施された。
高速充電規格の統一に動くスマホ大手、中国が国際標準を作る側に
現代を生きる人にとってスマートフォンは必要不可欠な道具となっている。そして、スマホの充電は人々を悩ます大きな問題となっている。スマホの性能や機能で差が付きにくくなる中、高速充電は消費者に選んでもらうための重要な機能となっている。
数人の陽性者で即座に数百万人のPCR検査 続く新型コロナとの戦い
新型コロナウイルスを抑え込んでいる中国だが、広東省では変異型ウイルスとみられる感染が局所的に発生している。同省の当局はどう拡大を防ごうとしているのか。
日本に「コンピューター以後」の産業は育っているか
「中国のスタートアップの今後10年ぐらいのトレンドをどう見ている?」。一風変わった産業用ロボットアームを作ろうとしているElephant RoboticsのCEO、ジョーイから先日、チャットでこんな質問があった。
外国人も使用可能に、デジタル人民元の持つ可能性
デジタル人民元の実験を進めている中国政府。2020年から実験がスタートし、2021年5月時点では外国人も利用可能になった。
コロナワクチン予約システム騒動と「愛ある指摘」に欠けた日本
新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターの予約システムを巡る問題が大きく取り沙汰されている。予約システムがどうにも残念なものだったことに多くの批判が集まっている。ワクチン接種を加速する上でしっかりとしたシステムが必要なことは間違いない。その一方で、悪意をぶつけ合ったり、責任…
1カ月で急速改善、深圳の外国人向け新型コロナワクチン接種
筆者は深圳市で5月14日に2回目のワクチン接種を終えた。1カ月前の4月14日に行った1回目の接種とは予約から接種までのシステムがすべて異なり、非常にスムーズだった。しかも多言語対応や医師から接種対象者への説明を含めて、すべての部分に多くのリソースが注がれていると感じ…
中国アリババが普及に本腰、「誰でもIoT」の時代
2020年9月、中国のアリババ集団は独自のCPU「HaaS」シリーズを搭載した開発ボードを発売した。その後、急ピッチで製品を増やしている。「HaaS」でアリババは何を狙っているのか。
職場にワクチンの「出前」も 物量に物を言わせる中国のコロナ対策
総力戦で新型コロナウイルスの封じ込めに成功している中国では、試食を伴う大規模なフードフェスティバルが行われるなど経済活動が完全に戻っている。加えて、各地方政府でのワクチン接種も急ピッチで進められている。
経営は「社長室にCEO専用の作業台を据え付ける会社」に学べ
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの機関が様々な研究を進めている。4月12日には、山口大学が密な状況を可視化する装置のプロトタイプを発表した。
進化する中国のコロナ対策健康コード、上海では個人情報への配慮も
中国の新型コロナウイルス対策として知られているのが、ITを活用した健康コードと行程カードである。健康コードはPCR検査の履歴を表すもの、行程カードは携帯の基地局データを基に、過去の移動履歴が都市レベルで表示されるものだ。
「社会善」を追求、コロナ禍で変わる中国のベンチャー投資
新型コロナウイルスの影響で世界経済が減速する中、中国では研究開発型ベンチャーへの投資が加速している。それだけではなく「社会善」の追求を目指すファンドも出てきた。
信頼性はむしろ高まる ビジネス戦略としてのオープンソース
日本でのオープンソースは「ボランティア、非営利、非商用」というくくりで語られることが多い。だが、実際には世界の多くの企業がビジネスとしてオープンソースを戦略的に採用しており、大成功も数多くある。
「オカルト」も登場、中間層の増加とともに伸びる中国オーディオ
高い経済成長が続いてきた中国では、中間層が増えている。市場成熟の証とでも言うべきか、中には効果がはっきりしない「オカルトオーディオ」のような製品も市場に出てきている。
コロナ対策で研究開発型のスタートアップを育てる中国の深謀
中国国内経済をどれだけ下支えしても、世界経済が大減速している中、海外向けの製造業はスローダウンせざるを得ない。広東省の製造力は回復しているが、輸出できないようだと作るものがなくなる。この傾向は短期では変わらないだろう。そのため中国では、ベンチャーへの投資を利用して時価総額を上げ、…
PayPayも使う、中国発のオープンソース分散型データベース開発企業
中国オープンソースアライアンスの開源社は、GitHubへの中国人アカウントのアクセスを分析してリポートを出している。2020年の総イベント数(プロジェクトへの書き込みやダウンロードなどを合計した数)は8億7400万と、2019年に比べて60%増加している。中国からの総プロジェクト…
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