My Secret Base

13年前に中古で買ったオリンパスの一眼レフ、OM-1。1972年の発売なので、個体にもよるがおそらく30歳代前半、といったところか。私とほぼ同世代だったりする。

小学校5年のとき、担任の先生がカメラ好きで、ニコンのF3を持っていた。その影響で、買えもしないのに一眼レフのカタログを集めて、眺めていた時期があった。OMもその中にあったが、定価だけ比べて生意気にも「大したことないな」と思っていた覚えがある。

社会人になって、一時期中古カメラにハマッた。その初期に買ったのがこれ。買っては下取りに出し、というのを繰り返したが、これだけはなぜか手放せなかった。そのうちカメラそのものから写真を撮ることに興味は移り、こいつがメインカメラになった。その後、メインカメラはコンタックスになったが、こいつがお気に入りであることに変わりはない。

気に入ってるのは、まずファインダー。余分な情報が一切なく、黒い枠に露出計の小さな針が見えているだけ。いかにも被写体を「切り取っている」感じがして、構図に集中できる。見え味も最高で、ピントの山もつかみやすい。また、ファインダー倍率が高いので、50mmレンズを付けて縦位置で構えると、違和感なく両目を開けて撮影できるのもいい感じ。

そして、一番のお気に入りはシャッター。現行機種ではほとんど味わえない機械式、しかも横走り式の布製シャッターは、メカニカルかつどこか優しい音がする。シャッターを切るのが、ものすごくキモチイイ。長いこと触ってなかったが、アウトドア雑誌やカタログを見てるとついつい暴走してしまう物欲を紛らわすため、最近また手元に置いている。今度久々にリバーサルでも詰めて、フィールドに連れ出してやろうと思っている。



ファインダーを覗いて、シャッターを切るとシアワセになれるカメラ。特に1/30秒がおすすめ。機会があればぜひお試しを。