主な記事のリスト


歴史修正主義の一大トピックである「南京事件」にモチーフを絞り、日本軍史料から同事件を実証的に考察しつつ、南京事件否定論が「偽りの問題設定」の上に構築されていることを明らかにしていく。

時間がないかたはこのエントリをお読みください。
「南京事件「どっちもどっちなので保留」派は日本側史料を読むといいよ」
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20090602/p1







南京事件関連

南京事件は、日本軍の「自国兵士への虐待」から始まった
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20051202

南京事件を子ども達にどう伝えるか、という難問
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20051024

「南京事件=ただのプロパガンダ」説のアキレス腱は「日本軍史料」
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060804

「南京攻略時に約四、五万に上る大殺戮」(岡村第十一軍司令官が宮崎参謀・原田少将・萩原中佐より聴取した内容)
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060701

捕虜殺害/死体の揚子江投棄を目撃した早尾乕雄陸軍中尉
阿南惟幾・陸軍省人事局長の報告/田中新一・陸軍省軍事課長の所見
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060718

南京事件否定派はなぜ「現代歴史学と南京事件」を10ヶ月無視し続けるのか?
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20070313/p1


靖国・遊就館史観関連

靖国神社と「ほめてごまかすメソッド」
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060904

靖国神社と「ほめてごまかすメソッド」追補編1
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060908

石川達三「生きてゐる兵隊」は、発禁直後に中国語訳され刊行されていた

NHKスペシャル「従軍作家たちの戦争」を視聴した。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0814/index.html

日中戦争の時代、『麦と兵隊』で国民的作家になった火野葦平が克明に記した20冊もの従軍手帳が北九州・若松に遺されている。この程、全貌が明らかにされ、陸軍報道部を中心としたメディア戦略が浮かび上がってきた。当時、中国の蒋介石政権は日本軍の残虐行為を国際社会に訴えていた。のちに陸軍報道部長となる馬淵逸雄は、これに対抗するため、火野を報道班に抜擢。徐州作戦に従軍させ、「兵隊3部作」はベストセラーとなり、映画化もされ、戦意高揚に貢献する。さらにペン部隊が組織され、菊池寛、林芙美子ら流行作家が参加していく。
太平洋戦争が始まると、火野はフィリピンで宣撫工作に従事し、大東亜文学者会議をリードしていく。しかし、実際に火野が目にしたのは過酷な戦場の現実だった。戦後、戦争協力で批判された火野は、自ら命を断った。作家を戦争に動員した軍のメディア戦略と火野葦平の軌跡を初公開の従軍手帳や関係者の証言から描く。

この番組の前半で、石川達三「生きてゐる兵隊」が、発禁直後に中国語訳され刊行されていたことが紹介される。
上海図書館に所蔵されているのは2冊、それぞれ「活着的兵隊」と「未死的兵」というタイトルで、それぞれ1938年刊。「中央公論」1938年3月号は発売前日に発禁になっているが、早い時点で中国語訳がなされていたことがわかる。



※再放送は2013年8月17日(土)午前1時30分〜2時19分(16日深夜)

南京事件を「想像」する…松本清張「黒地の絵」を補助線に、南京事件発生75周年の日に

今日は、南京事件発生から75周年の日。
あえて、1950年の日本で起きた米兵暴行事件のことを書きます。


1950年7月11日、福岡県小倉市(現在の北九州市小倉北区)の城野(じょうの)にあるアメリカ軍キャンプから約200〜300人の兵士が集団脱走し、キャンプ近隣の民家等に入り略奪や性的暴行などを行った。当時、朝鮮戦争においてアメリカ軍は劣勢で、多くの死傷者が出ていた。脱走した兵士は戦地に送られるためにジョウノ・キャンプに送り込まれ、全て黒人兵であった。
この事件は当時の日本のマスコミでは報道されなかった。


当時32歳で小倉に住んでいた松本清張は、作家として東京に居を構えたのち、事件8年後に短編小説「黒地の絵」を発表する。この作品は、現在新潮文庫に同題名で収録されている(この記事末尾を参照)

※【ご注意】以下、囲みで小説のあらすじや原文を書きます。ネタばれ注意。また、原文中には人種差別表現もあります。

あらすじ(青狐による)

脱走した兵士たちのうち6名が、炭坑の事務員として働く前野留吉と芳子の家屋に侵入する。留吉は縄で縛られ、芳子は性的暴行を受ける。芳子は命を取り留めるが「明日にでも死ぬ」と泣き叫ぶ。
留吉は自分の非力さを自責する。
51年、留吉は、ジョウノキャンプの中にある戦死体安置所に勤務している。彼は、自分たちを暴行した兵士の刺青を記憶している。
小説の最後で、ある黒人兵の死体に向けて医療用メスで襲いかかる留吉の姿が描かれる。

留吉は同じ解剖室で働く歯科医から、死体に黒人兵が多い理由を教えられる。
歯科医の香坂はこう述べる。

「どうだい、君も気づいただろう? 戦死体は黒人兵が白人兵よりずっと多いだろう」
(中略)
「おれの推定では、死体は黒人兵が全体の三分の二、白人兵が三分の一だ。黒人が圧倒的に多い、ということはだな、黒人兵がいつも戦争では最前線に立たされているということなんだ」

それを知った留吉は香坂にこう述べる。

「黒人兵はそうされることを知っていたのでしょうか?」
(中略)
「殺されることをです」
(中略)
「殺されるとは思っていたでしょう。負け戦の最中に朝鮮に渡ったのですからね」

最後に留吉は独り言のように言う。

「黒んぼもかわいそうだな。かわいそうだが  」

しかしその事実を知ってなおかつ、留吉は復讐を行っている。


芳子や留吉に暴行を振るった兵士たちの境遇と、上海戦〜南京戦の日本兵のそれとは異なる部分も多いが、共通する部分も多い。少なくとも「自分たちは虐待されている」と感じている点は共通している。
虐待された者が、より弱い者を虐待することでつかの間の喜びを得る。このブログで繰り返し指摘してきた「虐待の連鎖」(丸山真男の言う「抑圧の移譲」)の構図がある。

そして、その連鎖の終点に位置する被害者が存在することも共通する。
前野芳子や留吉のような虐待を受けた1950年の小倉市民、そして1937年の南京市民。


南京事件に当事者として立ちあっていない人間にとって重要なのは、南京事件をどのように「想像」するかだろう。体験していない出来事を自らにたぐり寄せるには、さまざまな補助線も必要になるだろう。
「黒地の絵」は、その補助線の一つになる作品だと思う。

「朝鮮戦争を記憶する」ことを含めて、この作品が多くの方に読まれてほしい。
歴史修正主義の嵐が吹き荒れる前夜とも言える、この政治状況のなかで。


※ただし、松本自身の人種差別・偏見・先入観に基づく記述も多く、この作品はそういう問題をも含めて多角的に読まていく必要も感じる。

黒地の絵 傑作短編集2 (新潮文庫)

黒地の絵 傑作短編集2 (新潮文庫)

ヤン・ダーチン(楊大慶)氏講演「浅い和解:旧日本軍人の中国訪問と1950年代における記憶の政治」


岩波講座「アジア太平洋戦争」第5巻「戦場の諸相」に「南京残虐事件 原因論の考察」という論文が収録されている、揚大慶氏(ヤン・ダーチン、ジョージワシントン大準教授)の講演が7/21にあります。

国際交流セミナー

日時:7月21日(土)14:30−17:00
場所:一橋大学佐野書院
http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
(上記国立キャンパス建物配置図の23番)

講師:楊大慶(ジョージワシントン大学准教授)
演題:浅い和解:旧日本軍人の中国訪問と1950年代における記憶の政治
Thin Reconciliation: Visits of Japanese Officers to PRC and the Memory
Politics in 1950s
使用言語:日本語

*楊大慶氏はこの夏までの1年間は早稲田大学の社会科学総合学術院で教えてお
られます。
主要著作:
劉傑・三谷博・楊大慶編『国境を越える歴史認識―日中対話の試み』, 東京大学
出版会,2006

12/14、外務省を包囲しよう!

※久しぶりの更新になります。別件に追われる毎日ですが、今日と明日はエントリ書きます。

日本軍「慰安婦」被害者に正義を!
日本全国、世界各地で同時に行う『韓国水曜デモ1000回アクション』

外務省を「人間の鎖」で包囲しよう!
http://restoringhonor1000.info/

1991年8月14日、韓国の日本軍「慰安婦」被害者・金学順さんが初めて名乗り出て、既に20年が経過しました。また、翌92年1月8日に始まった、日本軍「慰安婦」問題の解決を求める韓国水曜デモは、2011年12月14日で1000回を迎えます。

 日本の植民地下での戦争によって強いられた苦しみと屈辱の体験を、勇気を振りしぼって証言したハルモニたち(朝鮮・韓国語で「おばあさん」の意味)。戦後も韓国社会の中で蔑まれ、辛い人生を送らざるを得ませんでした。この事実はハルモニたちの勇気のある証言によって初めて明らかになりました。

 名乗り出た234名の被害女性は、現在齢80歳を超え無念のうちに亡くなられる方が相次いでいます。生存の方は65名になってしまいました。もはや時間は残されていません。

 国連などの人権機関からこの十数年の間出され続けてきた勧告や韓国・台湾・アメリカ・カナダ・オランダ・EU議会の決議も日本政府は無視し続けています。
本年8月30日には、韓国憲法裁判所が「韓国政府が日本軍『慰安婦』問題の解決のために日本政府と交渉しないのは憲法違反だ」との判断を示しました。そして韓国外交通商部は外務省に政府間協議を申し入れました。私たちは、日本政府が韓国政府との協議に応じて、解決の道筋を進めることを要望します。

 雨の日も、雪の日も、そして炎天下でも、ハルモニたちは、毎週水曜日、ソウルの日本大使館前にてデモを行ってきました。もうこれ以上、日本政府の黙殺を許してはいけません。被害女性の名誉回復、被害女性への謝罪と賠償を一日も早く果たすよう日本政府に要求します。

 その私たちの思いを訴えるため、韓国水曜デモが1000回を迎える12月14日、外務省を「人間の鎖」で取り囲みましょう。日本全国、そして世界各国で同時に行われるアクションです。多数の参加がなければ実現しません。是非、多くの方に声をかけていただき、一緒にご参加ください。
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主催:戦時性暴力問題連絡協議会/日本軍「慰安婦」問題解決全国行動2010
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問い合わせ: ピースボート事務局 TEL:03-3363-7561

田母神俊雄、完全終了。

http://twitter.com/#!/toshio_tamogami/status/66496129814118400

浜岡原発が危ないということが何故菅直人にわかるのか。これは反原発、反核運動だ。日本の弱体化だ。

http://twitter.com/#!/toshio_tamogami/status/70277888557060096

福島原発で炉心溶融が起きていたようです。炉心溶融が起きても大した危険はないということが判明したということでしょうか。

http://twitter.com/#!/toshio_tamogami/status/61299659544596480

福島原発の放射能で20ミリシーベルトを超える地域は計画避難地域になるそうです。CTスキャン1回で6.9ミリシーベルトなので、その3回分。CTスキャン3回で身体に異常が起きるものなのでしょうか。政府は福島県の人たちを追い出して、福島県の土地を中国人にでもくれてやるつもりでしょうか。

ちなみに「1年間の積算被ばく線量が20ミリシーベルトに達する恐れのある場所を計画的避難区域の指定の目安」なので、田母神氏には、ぜひ今年からCTスキャンを年間3回、10年間でCTスキャンを30回、20年で60回受けてもらおうではないですか。田母神氏本人だけではなく、田母神氏のご子息、(もしおられるなら)お孫さんにも10年間で30回のCTスキャン、20年で60回、30年で90回、40年で120回のCTスキャンを受けてもらおう。身体に異常が起こらないとお考えのようですから、もちろんできないわけないですよね。


まあ、こんな人物に日本の将来やらを任せていいものかどうか、答えは明らかだと思いますが。

池田信夫氏のこの発言にトンデモ大賞をあげたい。

ツイッター上でこんなことを言っている。太字は引用者による。
http://hiwihhi.com/ikedanob/status/60707908484214785

途上国まで輸出するビジネスを考えると、原発かガスタービン。途上国は核のゴミ捨て場には困らないので、ビル・ゲイツの開発する新型原子炉が合理的。再生可能エネルギーは先進国のお遊び。

途上国=核のゴミ捨て場にすれば解決、ですか。
高レベル廃棄物の処理技術は未だに確立されていないのだから、つまり未処理の高レベル廃棄物を途上国に廃棄するということです、池田氏の主張は。
ここまで倫理を捨てられるものかと、ある意味で感心させられた。

※引用元のURL入れました。