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山田太一没後一周忌を記念し、昨年末からBS-TBSで再放映された。 全15回のシリーズドラマ、年を跨いで完結した。 僕が中学生の頃からかな、始まった地上波TBSの午後10時台、 「木下恵介・人間の歌シリーズ」の第12作目。 放送開始は、僕が進学上京した昭和48年。 下宿アパートで、毎回貪るようにして見ていました。 ♪~肌の日焼けが薄れていくように 激しい夏が遠くなる いまは秋 風が二人を散りじりにして 僕らの恋を想い出にする それぞれの秋 それぞれの窓 それぞれの空 それぞれの愛~ 大好きでした。その後発表された『岸辺のアルバム』よりも、 『想い出づくり』よりも、『ふぞろいの林檎たち』よりも、好きでした。 ディスカッションドラマ、なのである。ヌーヴェルヴァーグ、なのである。 主演かつドラマの語り部である小倉一郎が、カメラ目線で、 視聴者である僕に、語りかけるのだ。で、それが、山田太一の出自である、 松竹大船伝統のホームドラマって、スッゲー。 政治や社会をテーマにしてんじゃない、家庭問題をテーマとして、 登場人物たちが、ディスカッションするんだよ。テレビドラマで。 面白いよなあ。形式的にもそうだが、ディスカッションの中身が、 頗る辛い鋭い。お茶の間に届けるホームドラマの則を超えている。 そうしたドラマを、当時、僕らは、日本国民は、視聴していたのだ。 それからしばらくし、日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と、謳われた。 大丈夫だろうか、日本は。山田太一ドラマは、 平成以降、見向きされなくなって行った。 #
by blog-blues
| 2025-01-11 23:32
| シネマ夜話
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ハリウッド・クラシックスの最高峰。 もちろん、ご覧になっているであろうが、 誰よりも、雅子皇后に、ご覧いただきたい名作である。 下掲は、1月3日付毎日新聞朝刊社会面の記事。 毎年恒例のニュースであり、この報道に接するたびに、僕は、 天皇家の方々は、大変だなあ。天皇家に生まれなくてよかったなあと、思う。 防弾ガラスの窓越しに、国民に手を振る。1日5回。 パンダですか、私はと、思っても無理はなかろう。 雅子皇后ご自身と、そのご家族の方が、天皇家への輿入れを拒み、 拒みきれずに輿入れしたことは、国民周知の事実である。 だからこそ、天皇制など非民主主義の最たるもの、廃止すべしと、 力説する人もあろう。だが、しかし、それは、浅薄な考えではなかろうか。 天皇家の人間に限りませんよ、ほとんどすべての人間は、 自らが負った、自らに降りかかった、運命を受け入れ、生きてますよね。 それが、まあ、自分の運命なのだと、覚悟を決めざるを得ないですよね。 諸法無我。関係性の中でしか、個人の存在など、有り得ないのですから。 オードリー・ヘップバーン演じる、アン王女のように。 雅子皇后もまた。 永遠不滅の名作『ローマの休日』の名作たる所以は、 運命を引き受けざるを得ない、人間の生の悲しみと、 運命を自ら引き受ける、人間の生の勁さを、十全に、表現し得たことである。 ラブコメというキュートなシチュエーションの中で。 『ティファニーで朝食を』の、『麗しのサブリナ』の、ペップバーンと較べて観よ! 『ローマの休日』のヘップバーンの輝きが隔絶してるのが、誰の目にも映るだろう。 #
by blog-blues
| 2025-01-04 00:16
| シネマ夜話
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NHK-BSで放送されてたと思う。 「詩のボクシング」は、放送されるたびに視聴していたのだが。 今回再放送された、ねじめ正一VS谷川俊太郎の、 「詩のボクシング」は、未見だった。 僕が視聴していたのは、地方予選を勝ち抜いた、 無名の詩人たちによる、全国大会決勝の模様だった。 それに先立つ番組だったのだろう。とまれ、 僕が今年見たテレビ番組で、最高に面白かった。 蝶のように舞い蜂のように刺す、 華麗な谷川俊太郎の詩のボクシングスタイルに対し、 がむしゃらに言の葉の暴力を振るう、ねじめ正一。 スタイルの違う両者の激突に、僕は、あしたのジョー、 力石徹VS矢吹丈の血戦を、想起してしまった。 ちなみに、僕の採点は、92対92のイーブン、ドロー。 ゲスト出演の高橋源一郎は、 谷川俊太郎のTKO勝ちとジャッジしていたが。 なるほど、言葉選びの洗練さ、完成度に於いて、 一日どころではない長があったのは、 文芸に関心のある向きには、誰しもが認めるところだろう。 だが、僕は、ねじめ正一の、洗練とはほど遠い、 切羽詰まった言の葉に、より詩魂を、感じたりもしたのだ。 いやー、好いもの見せて、もらいました。 番組の最後、故人と深い親交があったという高橋源一郎が、 最も好きな谷川俊太郎の詩として「かなしみ」を紹介していた。 あの青い空の波の音が聞えるあたりに 何かとんでもないおとし物を 僕はしてきてしまったらしい 透明な過去の駅で 遺失物係の前に立ったら 僕は余計に悲しくなってしまった 僕の処女作「木枯し」は、これと通底してんじゃん、と思ったのは、 度し難い、僕のつけあがった思いであろうか。 お忘れ物のないようにと 車掌が ぼくは慌てて あたりを見まわす 忘れ物などないのです ですが 何かしらどこかへ 忘れてきたような #
by blog-blues
| 2024-12-21 00:59
| 文学の風
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捜査本部って、もちろん警察で。そのトップを拘束するって、有り得ねえ。 日本の文芸評論家、故秋山駿は、民主主義とは下克上である、と喝破した。 まさに、韓国は、民主主義の国である。凄いなあ、羨ましいなあ。 下掲は、12月11日付毎日新聞夕刊。 なぜ、こんな破天荒なまでに立派なことができるのか。言うまでもない、 韓国国民が自ら血を流し、軍事政権を打倒、民主革命を成し遂げたからだ。 GHQ民政局に与えられた、戦後民主主義を享受してきただけの、 僕もその一人だ、日本国民とは、えらい違いだなあ。 夕刊記事に触発され、晩酌しながら、光州事件、それに続く、 ソウル大生拷問致死事件に端を発した、民主化運動を描いた、 韓国映画『1987、ある闘いの真実』を、U-NEXTで再見してしまった。 そして、思う。全斗煥政権が、いくら軍事独裁だからって、 いきなりデモ隊を銃撃したりはしない、最初は威嚇射撃だ。 なぜか。そうだよ、曲がりなりにも韓国が、自由主義を標榜する、 西側陣営に、属していたからだ。東側陣営の北朝鮮だったら、 即銃撃っていうか、民主化運動など、そもそも起こりようがなかった。 西側陣営か、東側陣営か、どっちが、よりマシか。 答えは、歴史が、証明している。北朝鮮に民主化の波は、金輪際、 起こりようがないだろう。僕は、北朝鮮の国民が、哀れでならない。 #
by blog-blues
| 2024-12-12 00:31
| ニュースの時間
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前回が41.1%で、今回は55.65%ってか。凄いもんだ。 その最大の要因はNHK党党首、立花孝志。この男の存在だ。 下掲は、11月19日付毎日新聞朝刊記事の切抜。 無残なのは、十年一日、 自公政権が続くのはみんなが投票に行かないからだ、 投票率が上がれば政治は変わると、口角泡を飛ばしていた、 「左派・市民派」のみなさん。 全然的外れと言うべきか、意に反して当たっていたと言うべきか。 どちらにせよ、お粗末極まりない。無党派は、みなさんのアンチなの。 サイレントマジョリティってさ、虐げられた人々なのよ。 高学歴で安定した収入があり、社会的地位もある「左派・市民派」が、 その悔しい念いを共有できるか、できるのなら、カギ括弧抜き、 選挙に熱風を巻き起こす風雲児、立花孝志。異存はあるまい。 今回然り、都知事選然り、彼がパフォーマンスすれば、 選挙は盛り上がる。鳴りを潜めた総選挙は、てんで低調だった。 面白いか面白くないかで言えば、断然面白いよ。 いま「左派・市民派」陣営を見まわして、 選挙に熱風を巻き起こす逸材が在るとしたら、 社民党の佐藤あずさであろうが、あろうことか、 その逸材を寄ってたかってパワハラ、セクハラ、 引退に追い込んだのは「左派・市民派」なんだ。絶句。 よくもまあ、その口で、自由だの人権だのと宣えるものだ。 サイテーですね。彼らは、立花孝志に眉を顰め、唾棄するが、 本人は、自分がぶっ壊れていることは百も承知、二百も合点、 政界のヒールとして屹立している。 ♪〜小便だらけの湖に あなたとふたり飛び込んで うたう唄はさすらい色唄 踊るダンスは盆踊り だから だかァら なんでもいいから打ち毀せ だから だかァら なんでもいいから曝け出せ〜 おためごかしの「左派・市民派」より、よっぽど好いぜ。 #
by blog-blues
| 2024-11-19 20:51
| ニュースの時間
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