こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。
このブログでは、2023年5月15日に開催された『経営・事業と伴走できる、リサーチ担当者のマインドとアクション|マナミナ・トークLIVE』内のライトニングトークにて発表した内容と合わせて、時間の制約でお伝えしきれなかったところを補足してお届けします。
「リサーチは、リサーチャーだけのものではない」と宣言して始まった
今回のイベントでは、「リサーチ担当者のマインドとアクション」にフォーカスして対談を行いました。
私はスマートバンクが社員20人のタイミングで、UXリサーチャー職として入社しました。当時インタビューデータはあるものの、全社活用しきれていない状況だったので以下を進めました。
- インタビューデータなど、リサーチに関するデータを一元化する
- 一元化したデータを整理し、アクセス性を高める(Research Ops)
- 過去のリサーチデータの活用をサポートする
自分が専門職としてリードすべきは、調査設計や実行はもちろん、データ整備も行い、チームメンバーがユーザー視点を感じながらプロダクトに向き合える環境づくりだと思ったのです。
入社当時の活動 blog.smartbank.co.jp
経営と伴走するリサーチを実現するには
リサーチャーの動き(アクション)として、特徴的なのは「経営と伴走する」を体現しているところでしょうか。
元々、新しい事業機会検討の際、誰のどんな状況で発生するペインなのか、代替え製品に何を利用して問題解決をしているのかなどの隠れたインサイトを理解し、より良い問題解決(体験)を設計するため、N1インタビューをCEO、CXO自らが行っていました。
CEOのshotaさんとは毎月1回、CXOのtakejuneさんとは2週間に1回、リサーチについて会話する場があり、中長期的な事業計画の共有、ユーザーに関する気づきや手が空いていたら取り組んでほしいことなど、ユーザーに関する話題を取り扱います。(毎回、お二人ともユーザーの具体的なエピソードを前のめりで聞いてくれるので、話していてとても楽しいです。リサーチャーしていて良かったと心から思えます…!)
この1on1をきっかけに、情報収集や調査設計、本プロジェクトにつながったものも複数あります。
開発プロセスのファーストステップが「リサーチ」のため、直近の案件はもちろんのこと、一年以上先の案件を同時進行で動かしています。
登壇にあたって、「リサーチャーに期待すること」をshotaさんに聞いたところ、上記の答えが返ってきました。
これまで、「既存のサービスに別の利便性を提供する際に、既存のユーザーにとって更に深い問題解決になるか、既存の体験を損なわないか、新しい課題解決方法になり顧客を広げられるか」に強い熱量をもって自ら行っていたからこそ、リサーチャーへの期待値もクリアでした。
📻shotaさんがN1インタビューへのこだわりを語る回 smartbank.co.jp
開発プロセスの起点を担うこと、リサーチャーの役割・期待値がクリアで活用イメージが具体化されていることで、「経営と伴走」しやすいのかもしれません。
ユーザー視点の提供で「役に立つ」ことを大切に
経営がリサーチャーの役割を理解し、存在意義を見出していたとしても、チームメンバーの理解が得られなければ、良いリサーチは実行できません。
リサーチはリサーチャーが専門性を発揮して単独で行うものではなく、チーム戦だと思っています。リサーチにおいては、PM、デザイナー、エンジニア、BizDevなど様々な職種メンバーと協業しつつ、推進していく役割を担います。
その際、意識していたのは2点で、自分の仕事ぶりをプロジェクトチャンネルでオープンに報告すること、「ユーザーについて何か知りたいときに声をかける人」と認知してもらうこと。リサーチャーと一緒に働いたことがあるメンバーは少なく、何者かわからないと思いますので、自分からコミュニケーションを積極的に取っていきました。
なぜか? それは、本来リサーチャーが専門性を発揮する「設計」の場に確実に居合わせるためです。メンバーが要件を固めて、アンケートで配信先も手配しちゃった!等、適切な調査手法かを検討する前に全てが決まっている…そんな悲しい事態を避けなければいけません。
ユーザー視点で役に立てることは、何でもする。そんなマインドでこれまでやってきました。
専門性がより発揮できるような役割分担に
今回のイベントは、マーケティング領域の方が関心を寄せてくださっていました。
スマートバンクでは、上のように、専門性がより発揮できるパートに積極的に関わるようにしています。
例えば、アンケート調査の場合、企画はマーケターが行い、設計相談とレビューをリサーチャーが担います。得たい情報が取れる設問設計になってるかはもちろん、これまでのN1インタビューで出てきた発言で存在する選択肢になっているか、ユーザーが普段使う言葉で書かれているかなどをチェックします。
また、回答データについては、分類やデータベースへの格納・整理はリサーチャーが行います。同月内にユーザーにアンケートを配信する場合、対象者の重複を確認するなど、ユーザー調査の頻度が適切に行われるように管理します。
協業するときのTips
最後に、役割分担に関連して…例えば外部パートナーと協業することもあるかもしれません。
その際、「情報共有」をこまめに行い、「調査目的」「活用イメージ」が具体化され、関わるメンバー全員が同じ景色を見られるように振る舞うと良いと感じます。
私もまだ見えきっていない部分があると思いますが、少しでも参考になりましたら幸いです。
N1インタビューを通じて事業を創る
気がつけば、昨年は100件以上、今年はすでに90件を超えるハイペースでN1インタビューに取り組んでいます。現在、新機能の開発に取り組んでいるため、生活理解や課題特定のためにインタビューは欠かせません。
「ユーザーは自分が欲しいものはわからない」ものです。
インタビューを通じてユーザー理解を深め、まだ見ぬ価値を見出していきたいと感じます。
1日で複数件のインタビューがある日が続くこともありますが、PMとの協業、先述したデータベースの整理と仕組み化、Opsメンバーとの業務分担を行って効率的に進められています。
リサーチチーム内での取り組みも、またどこかでご紹介させてください!
最後に
スマートバンクでは、一緒に働く仲間を募集しています。 リサーチャーと一緒に「Think N1」を体現していきませんか?ぜひお話させてください!
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