今日、6月26日金曜日、ギャラリー新宿眼科画廊に、劇団A・P・B-Tokyoの公演『人力飛行機ソロモン』を見に行った。
それにしても今月は多いな!
月蝕歌劇団2回連続公演『ネオ・ファウスト地獄変』と『阿呆船』(南阿佐ヶ谷・ひつじ座)、劇団唐組『透明人間』(新宿・花園神社特設テント)、新宿梁山泊『二都物語』(新宿・花園神社特設テント)、演劇実験室◎万有引力『夜叉ヶ池』(新宿ブラッツ)、そして劇団A・P・B-Tokyo『人力飛行機ソロモン』(新宿眼科画廊)と、5劇団6演目を見ている。
だんだん演劇が脳を侵食してきて、普通に仕事をしていても、飯を食っていても、「この局面は現実では当然こうするが、演劇だとこうなると面白い」とか意味のないことを考えるようになってきた。
キチガイだ。
劇団A・P・B-Tokyoは、ぼくのこの自分内演劇ブーム、寺山修司ブームが始まるキッカケになった劇団で、必ず見ることにしている。
看板女優の高野美由紀さんと、主宰の浅野伸幸さんの、リリカルな演技が好きだ。
グッと大人な感じがする寺山修司だ。
と、思っていたのだが、前々回の『観客席』あたりから、バラエティ的な客いじりを伴うハプニングアート色が強くなって、だんだん演劇の枠をはみ出してきたようだ。
デザイン・フェスタにも登場していたそうで、相当面白かったらしく、見逃して残念だった。
新宿眼科画廊は眼科なのか? 画廊なのか? よく分からないネーミングだが、結果からいうと画廊だった。
昔、新橋内科画廊という新橋の内科医院に併設されたギャラリーがあって、赤瀬川原平さんなどのアーティストが活躍していた。
それにリスペクトして新宿に作られたギャラリーで、眼科は目の保養になるという意味で、特に診療は行われていないようだ。
通りに面したギャラリーに入って行くと、普通にアートの展示をやっていてその関係の人から「劇の受付は奥になります」と言われる。
奥に行くと女性の受付が「あ、劇団A・P・Bはここじゃなくて、一旦出てから右の階段を降りて地下になります」と言われる。
なんだよー。
早く着きすぎたし、雨が降っていたので看板が出ていず、分かりにくかったのだ。
ちなみにギャラリーの奥からは別の劇場に行けるようで、その受付ではろくでなし子さんの例のソフビ人形?が売っていた。
横の階段の前で待つ。
たいした時間ではなかったが、雨が結構強めに降っていた。
今回はツイッターで告知していた飯塚美花さんにリプライで予約してもらっていた。
手軽でいいな!
それで予約料金で入れた。
入場の案内をしているのがすげえいい声の男優、中村天誅さんで、「あ、お手洗いはあちらにあります・・・」などとすげえいい声で案内していて笑った。
こういうのっけから役者さんと接触があって日常と非日常のあわいを楽しめるのが小劇場の良さである。
舞台には劇場の妖精、マメ山田さんが歩き回っていて、あいかわらずかわいいなあ。。(オッサンだけど。。)と思った。
舞台は非常に狭いが、音響が迫力があって、映像を使った演出などもカッコよくていい劇場だなあと思った。
さて、ようやく『人力飛行機ソロモン』の話になるが、しょうじき非常に難解な演劇であった。
これはもともと70年代に青森で行われた「市街劇」を下敷きにしている。
「市街劇」というのは街のあちこちで一般市民を巻き込みながら同時多発的に演劇を行ったもので、当時は警察沙汰になったり大変だったようだ。
市街劇『人力飛行機ソロモン』は2008年に松山市で市の後援を得て再演されたそうで、その時の記録はインターネット上に多数残っている。
これが、見た人見た人の通ったルート、取った行動によって当然のように見事に切り取られ方が違うし内容が違うので笑ってしまう。
今回のA・P・B版『ソロモン』はその中のいくつかのエピソードを切り取って演じたもののようだ。
あるパターンで市街劇『ソロモン』を歩きまわったらこうなる、ということだろうか。
とりあえずストーリーというものはなく、寺山の詩やセリフが断片的につなぎ合わさっている。
客いじりもふんだんにあって、真っ暗な舞台から急に顔をライトで照らされて質問されたりする。
こういう芝居の感想を書くとき、よく分かった、分からなかったと書くが、それは芝居とはものを伝えてもらう(教えてもらう)という前提に立っている。
でも客が芝居側からものを尋ねられるということもあるなんてびっくりだ。
最初から最後まで難解だったが、役者さんはみんな熱演で、だんだんこちらにも熱気が伝わってきた。
とりあえずカッコイイ舞台だった。
包帯を使うシーンが美しかった。
もう一回行こうかなー。
7月1日までやっている。
月蝕歌劇団2回連続公演『ネオ・ファウスト地獄変』と『阿呆船』(南阿佐ヶ谷・ひつじ座)、劇団唐組『透明人間』(新宿・花園神社特設テント)、新宿梁山泊『二都物語』(新宿・花園神社特設テント)、演劇実験室◎万有引力『夜叉ヶ池』(新宿ブラッツ)、そして劇団A・P・B-Tokyo『人力飛行機ソロモン』(新宿眼科画廊)と、5劇団6演目を見ている。
だんだん演劇が脳を侵食してきて、普通に仕事をしていても、飯を食っていても、「この局面は現実では当然こうするが、演劇だとこうなると面白い」とか意味のないことを考えるようになってきた。
キチガイだ。
劇団A・P・B-Tokyoは、ぼくのこの自分内演劇ブーム、寺山修司ブームが始まるキッカケになった劇団で、必ず見ることにしている。
看板女優の高野美由紀さんと、主宰の浅野伸幸さんの、リリカルな演技が好きだ。
グッと大人な感じがする寺山修司だ。
と、思っていたのだが、前々回の『観客席』あたりから、バラエティ的な客いじりを伴うハプニングアート色が強くなって、だんだん演劇の枠をはみ出してきたようだ。
デザイン・フェスタにも登場していたそうで、相当面白かったらしく、見逃して残念だった。
新宿眼科画廊は眼科なのか? 画廊なのか? よく分からないネーミングだが、結果からいうと画廊だった。
昔、新橋内科画廊という新橋の内科医院に併設されたギャラリーがあって、赤瀬川原平さんなどのアーティストが活躍していた。
それにリスペクトして新宿に作られたギャラリーで、眼科は目の保養になるという意味で、特に診療は行われていないようだ。
通りに面したギャラリーに入って行くと、普通にアートの展示をやっていてその関係の人から「劇の受付は奥になります」と言われる。
奥に行くと女性の受付が「あ、劇団A・P・Bはここじゃなくて、一旦出てから右の階段を降りて地下になります」と言われる。
なんだよー。
早く着きすぎたし、雨が降っていたので看板が出ていず、分かりにくかったのだ。
ちなみにギャラリーの奥からは別の劇場に行けるようで、その受付ではろくでなし子さんの例のソフビ人形?が売っていた。
横の階段の前で待つ。
たいした時間ではなかったが、雨が結構強めに降っていた。
今回はツイッターで告知していた飯塚美花さんにリプライで予約してもらっていた。
手軽でいいな!
それで予約料金で入れた。
入場の案内をしているのがすげえいい声の男優、中村天誅さんで、「あ、お手洗いはあちらにあります・・・」などとすげえいい声で案内していて笑った。
こういうのっけから役者さんと接触があって日常と非日常のあわいを楽しめるのが小劇場の良さである。
舞台には劇場の妖精、マメ山田さんが歩き回っていて、あいかわらずかわいいなあ。。(オッサンだけど。。)と思った。
舞台は非常に狭いが、音響が迫力があって、映像を使った演出などもカッコよくていい劇場だなあと思った。
さて、ようやく『人力飛行機ソロモン』の話になるが、しょうじき非常に難解な演劇であった。
これはもともと70年代に青森で行われた「市街劇」を下敷きにしている。
「市街劇」というのは街のあちこちで一般市民を巻き込みながら同時多発的に演劇を行ったもので、当時は警察沙汰になったり大変だったようだ。
市街劇『人力飛行機ソロモン』は2008年に松山市で市の後援を得て再演されたそうで、その時の記録はインターネット上に多数残っている。
これが、見た人見た人の通ったルート、取った行動によって当然のように見事に切り取られ方が違うし内容が違うので笑ってしまう。
今回のA・P・B版『ソロモン』はその中のいくつかのエピソードを切り取って演じたもののようだ。
あるパターンで市街劇『ソロモン』を歩きまわったらこうなる、ということだろうか。
とりあえずストーリーというものはなく、寺山の詩やセリフが断片的につなぎ合わさっている。
客いじりもふんだんにあって、真っ暗な舞台から急に顔をライトで照らされて質問されたりする。
こういう芝居の感想を書くとき、よく分かった、分からなかったと書くが、それは芝居とはものを伝えてもらう(教えてもらう)という前提に立っている。
でも客が芝居側からものを尋ねられるということもあるなんてびっくりだ。
最初から最後まで難解だったが、役者さんはみんな熱演で、だんだんこちらにも熱気が伝わってきた。
とりあえずカッコイイ舞台だった。
包帯を使うシーンが美しかった。
もう一回行こうかなー。
7月1日までやっている。