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社会統計学とデータ活用の基礎(社会統計学入門第1回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

その一方で、データや分析結果を受け取る側にも、それ相応の技量が求められることになります。
ただし、統計分析に関する予備知識がない状態で分析結果を提示されても、それが何を意味するのか十分に理解できないかもしれません。また、集計される前のデータは数値の羅列となっていることが多いため、自分で分析しようとして元のデータを手に入れたとしても、どこから手をつければよいのかわからず、その数値の羅列を前に途方に暮れてしまうかもしれません。

つまり、統計データが広く公開され、身近なものになってきたとしても、それを受け取る側がデータや分析結果を読み取る力を持たなければ、結局は一握りの専門家による結果の解説に頼らざるを得なくなります。

この「社会統計学入門」という科目で扱う社会統計学は、統計学の応用分野の1つであり、主に質問紙や調査票を用いた社会調査によって得られたデータを基に行う統計分析の手法を学びます。

社会調査は、ある社会を構成する多くの人々の実態を捉えることを目的に実施されるため、その調査結果を社会の人々に還元し、広く共有することが重要な意義を持ちます。したがって、先ほど述べたような、一握りの専門家だけに頼る状況は、このような調査の意義を著しく損なうことになりかねません。

統計データが身近になりつつある現在、この講義では、社会調査のデータを活用した統計分析について、その基礎的な考え方や手法を理解し、活用できるようになることを目指して内容を展開していきます。

 

 

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