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D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Vibrato('12)/Paul Gilbert

2012-10-14 11:36:00 | guitarist
ここもと急に朝晩が涼しくなり、俄かに秋めいて参りました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。(笑)
閑話休題。

先月仕入れたブツですが、余りに良すぎて、でも上手く言葉が出てこないので、暫く聴き続けていたこの作品。
ポール・ギルバートのソロ新作“Vibrato(ヴィブラート)”ってやつです。

彼のパーソナリティなり考え方ってのは、結構前から興味を惹く対象として注目しておりました。
前作“Fuzz Universe”あたりから本格的に聴いておりますが、今回はかなり良い感じじゃないかと。

personnel:
Paul Gilbert(g,vo)
Emi Gilbert(kb,vo)
Kelly Lemieux(b)
Thomas Lang(d)
Tony Spinner(g,vo on#9,10,11)
Craig Martin(b,vo on#9,10,11)
Jeff Bowders(d on#9,10,11)

最後3曲は前出“Fuzz Universe”ツアーで収録されたライヴ音源で、それ以外が今回の新録となるようです。
既にチョコチョコとサポート的に客演を重ねて来た奥様のEmiさんが、今回大健闘しておられますね。
ピアノ&ハモンドで、かなり上手いジャジーなソロやヴォーカル・コーラスまでも交え、旦那の音楽を支えながら、かなり露出しまくりですよん。
その他のバックの面々は、個人的には知らない方ばかりなんですが、まあそろいも揃って芸達者ばっかですね。

tracks:
1.Enemies(In Jail)
2.Rain And Thunder And Lightning
3.Vibrato
4.Put It On The Char
5.Bivalve Blues
6.Blue Rondo A La Turk
7.Atmosphere On The Moon
8.The Pronghorn
9.Roundabout
10.I Want To Be Loved
11.Go Down

本作の聴き所ってのは多分2つあって、一つは意外に上手いポールのヴォーカルで、もう一つは出色のコード進行じゃないかな。
ここもと幾つかの音楽誌にポールのインタヴュー記事が載っておりましたが、彼が繰り返し訴えていたのが“勉強の成果”でした。

彼のヴォーカルに関しては、過去あまり接点が無かったこともあって個人的には耳にするのが初めてって事もありますが、マジ上手い!てか、良い味出してますよね。
そして、コード進行というか曲想が面白くって、ちょっとレトロぽいような、まるでSteelyDanみたいな奇妙で色っぽい感じというか。
この辺は、彼の旺盛な探究心の成果って事で、こんな姿勢に俺は非常に共感を覚える次第で御座います。
それに説明にも説得力があって判り易く上手い!こんな師が身近にいればレッスンが楽しくてしょうがないかもですね、ホント。(笑)

あと、彼が最近良く語っている事柄としては、モード上の音の事が主ながら、それ以外でも少々観念的ですが“奏でられる音の意味”を如何に消化できるか、という事。
勢いで弾いてしまう部分以外で、チョイスすべき音とそうでない音ってのがやっぱあって、曲想によってはその辺の意識の有無が肝になるそう。
特にブルーズではその辺が顕著で“なめたらいかんぜよ”って事でした。
正直言ってこの辺は個人的になかなか理解しづらいですが、やはり時間を掛けて学んで行くべき内容なんじゃないかなとは感じております。

そうそう、一押しは#1“Enemies(In Jail)”、#7“Atmosphere On The Moon”あたりかな。
特に“Atmosphere On The Moon”は凄くポップで、前出のSteely Danのようなこそばゆい(笑)ヴァイブが感じられます・・思わずヌォ~!みたいな
#4“Put It On The Char”なんかもプログレぽくて面白いし、Dave Brubeckのカヴァー#6“Blue Rondo A La Turk”なんかもスリリングで面白いですよん。
・・ブルーベックなら、個人的には“Take Five”を演ってほしかったけどね。(過去関連記事)

あと、最後3曲がライヴ音源になってて、特に冒頭の#9“Roundabout”はYesのアレで、再現性の高さが半端ないですわ。
特にベースのゴリゴリがすばらしいし、二人のギターどちらがどっち?って感じですが、ウェイクマンのパートの表現が凄くて、実に巧妙。
・・ライナーでは“雑!”と評されてますが、この表現は全く的を得てないのではないかと。

そんな感じで、ギタリスト以外の方にも是非お聴き頂きたい逸品でございます。
・・お勧めです!

あと、動画関係ではまだ時期尚早なようで、以下チョコッとだけ貼っておきます。

Paul Gilbert Milan - 2010 Roundabout


Paul Gilbert Talks Vibrato (Live Guitar Clinic Plymouth 2012) - PART 1




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