七輪の味はSUBARUに似てる
2022年 11月 17日
「犬酒場」なんて発想は頭のどこにもなかった。
北海道の松原農園さんから、
色んな具材を好きなだけ好きな時に焼けるから、
その時から、
瑞浪市にある国際犬訓練所を訪れると、
その食いつきの良さに目を奪われた。
本当に美味しそうにフードを食べる。
ちょっと引き気味の目線が他の子とは明らかに違っていた。
今よりかなり太って腹も出てた。
犬社員として働けるのか、
始めて来た陸斗はクルマに鎖で繋がれ、
それを見た息子に、
お得意様の三浦さんだ。
犬エントランスにあるトレーニンググッズを手に取り、
行き場の無くなった鳥は犬ゲレンデに置かれた、
此処で屯するのだろう。 いつの間にかたまった草や枯れ枝が、
虫食いの栗も大切な循環環境の栄養分だ。
優しく土に還すものと、
ひっくり返すと土壌中の常在菌が素晴らしい仕事をしていることが分かる。
中には異物も混じっているので、
風の無い日の朝、
陸斗を連れて恵那峡に行くと、
何が嬉しいの?
それより美味い物くれ!
えー!
観光船が勢いよく遡上していく。
恵那インターチェンジにほど近い絶好の場所で、
不愛想なおじさんにお金を払い、
この看板の渋さ、
入って驚いた。
本当に七輪は便利だ。
ドンキで安く買った具材が、 マスターが「やらせろ」というが、
ワンワン煩いが、
同じ具材を煮たり焼いたりして楽しむ。
この手軽さが面白い。 面白いお酒を封切った。
いい酒だ。
やっと仕事ができると、
凄いアスパラが届いたので、
是非お勧めの食べ方で味わおうと考えた。
すると家の中で焼くよりも、
思い切って外で炭を焚こうと気付いたわけだ。
楽しさが倍増するに決まってる。
水曜は記念すべき「コロナの日」になった。
平成三年六月十六日の午前、
陸斗が元気良く現れた。
まっしぐらに脚元に来ると、
その後は活発に歩き回り、
うーんと気張ってウンチを始めた。
そんなことする子は他に居なくて、
陸斗の健康な姿が微笑ましかった。
そして所内のテーブルに陸斗を連れて案内され、
その後の段取りを打合せていると、
陸斗に御飯が与えられた。
理屈抜きで、
初対面の時から相性は良かった。
その頃の「未来の飼い主」の写真も出てきたが、
良い肉付きとは言えず、
贅肉ばかり目立つ。
その三カ月後に、
陸斗を試す日が来た。
お昼は抱かれて拭かれたりした。
「それはやりすぎ」と注意された。
溺愛してるだけに見える。
確かにそうかとも思った。
けれど、
「シェパードがこんな風に掌に乗るのは僅かな期間だぜ」と、
こころの中でほくそ笑んだ。
まだヨチヨチ歩きなんだなんて、
この犬種を知る人以外、
誰も思わないからね。
犬社員の見習いとして、
初めてお相手したのは、
この納車式で陸斗は奥様から、
「かわいーーー」と言われ、
それ以来女のヒトから、
この言葉を言われると痺れるようになった。
牡の本性だろう。
こうして着実に成長した陸斗の近況を見て戴こう。
犬社員と犬酒場のマスターという、
二つの顔を持つ犬だ。
昨日に話を戻そう。
犬酒場とその裏口のバックヤードを奇麗に整えた後、
犬ゲレンデに向かった。
最近マスターは鳥を追い払うため、
日中も犬酒場で待機している。
その効果は抜群だったが、
犬ゲレンデに鳥糞被害が及んでしまった。
買ったばかりのコンテナに目を付けた。
これを洗って綺麗に片付け、
次の課題に移った。
土に還りかけているが、
そのままでは具合が悪い。
やたらと処分すると食物連鎖を狂わせる。
良質な二酸化炭素の源を区分した。
雪のように白い菌糸が巡っていた。
丁寧に取り出す。
横着に燃やそうとする魂胆が見え見えだ。
それでは勿体ない。
異物は異物として処理し、
枝と刈草及び枯葉の乾いたものだけに分けた。
丁寧に燃やして石焼芋でも作ろう。
思ったより時間がかかり、
高原へのドライブは諦めた。
というよりも、
腰が痛くて堪らない。
東京出張から三重出張、
合計で800Km以上走り、
一日置いてラリーフェス。
そして一日置いて600km走破したので、
一輪車を押す作業がトドメになったようだ。
良い行き先が思い当たった。
近くに居ると見失うが、
恵那峡も相当に価値の高い観光地なのだ。
予想した通り美しさの絶頂だった。
そりゃ綺麗だからさ。
こんなとこ嫌だ!
なんて顔するんだ。
きれいな夕日を見ようじゃないか。
ジェット船なので迫力満点だ。
10億円の予算をかけて再整備しただけあり、
見違えるように整っている。
ただし、
観光施設のなかでホテルの毀損はかなり大きい。
結果的に日帰り温泉が皺寄せを食った。
一番よく使った簡保の湯は、
時間規制があり夕方は入れなくなっていた。
恵那峡国際ホテルは湯快リゾートに買収され、
日帰り温泉をお願いできる雰囲気ではない。
恵那峡グランドホテルは廃業したようだ。
施設も老朽化していたので限界だったのだろう。
諦めて帰ろうとしていた時に、
ふと脳裏に浮かんだのが、
入ったことは一度も無い「ラジウム温泉」の看板だった。
恵那市民の歩いて行ける場所にあるものの、
これまで使ったことがないほど地味な存在だ。
近くに金龍館という同業者があったが、
何十年も前に、
川の中で温泉掘削を始めたと思ったら廃業してしまった。
今は跡形もない。
こんなことがなければ、
入ることは無かったかもしれない。
中に入ってい驚いた。
ここ、
良いじゃないか。
オジサンの不愛想な対応、
それ等が入り交じった芯の強さがある。
これは、
何かあるぞ。
源泉は掘ったのではなく湧き水だという。
浸かってるとビリビリするのは、
この辺りの鉱泉に共通する感覚だ。
間違いない。
簡保の湯も、
偶然井戸を掘ってる時に、
途中で大きな石を動かしたら源泉がこぼれ出た。
ローソク温泉もその源泉は湧き水だ。
この温泉にぜひ一度寄ると面白い。
その昭和感が最高だ。
すっかり温まり腰の痛さも癒えたので、
買い物して犬酒場を開店した。
コンパクトで高性能。
扱いが楽で掃除も簡単。
大勢なら専用のバーベキュースタンドが必要だけど、
あれは掃除も面倒だし分解組み立てが必要だ。
その点で七輪は分解組み立ての手間いらずで、
しかも熱効率が良い。
ステキな味に変わるんだ。
火の始末をしてからが出番だよ。
さっさと火を起こして乾杯だ。
東京の垣内さんに戴いた、
江戸の時代から良い酒が集まるから、
今でも東京には逸品が多い。
そのままで良いおちょこに注ぐのが良い。
この酒にグラスは似合わない。
江戸時代の酒の飲み方が頭に浮かぶ。
垣内さん、
とても美味しくいただきました。
ありがとうございます。
マスターは飼い主とほぼ一緒に御飯食べたけど、
火の近くには近寄らせてもらえない。
そのうち諦めて突っ伏していたけど、
煮炊きが終わって安全になった。
良いトリックを見せるじゃないか。
嬉しくてたまらない。
テン!と言われるのを待つうちに、
鼻提灯ならぬ「澱提灯」を披露してくれた。
陸斗の居る犬酒場、
この日もたいそう盛り上がりました。
毎朝暗いうちからトレーニングが始まると、
陸斗のカラダは筋肉質になり、
一段と綺麗になったとさ。
それでは、
また明日。
by b-faction
| 2022-11-17 22:00
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