日系企業は“竹”商品作り目指せ 現地設計・開発・調達・製造で ここに言う竹商品とは、竹で作る商品のことではない。松・竹・梅という言葉をたとえに使って、商品の3ランクを言い表している。松商品は高品質だが、値段も高い。竹商品は妥当な値段で妥当な品質。梅商品は安いが品質が悪い。これまで松商品の製造・販売にしか力を入れてこなかった日系企業は、それではシェアも利益も確保できない。これからはある程度の妥協をして、妥当な値段で妥当な品質の竹商品を作り、消費者の裾野を広げるべきだ。皆川氏はこう力説した。 言おうとしていることは分かる。しかし、コストをどう下げるのか。疑問は消えなかった。皆川氏は、なお論を進める。竹商品製造のキーポイントは、業種ごとの竹商品のための裾野産業を育成しようという現地政府、現地大学、現地企業との協力的創造（協創）が必須条件だ。現地部材の採用などがその例として取り上げられた。

アサヒビールの新製品「ぐびなま。」（3）〜複雑化するビール系飲料市場で再度トップに 日本人独特の「松竹梅」の感覚に近い ■以前はビールしかなかった市場なのに、3つの分野がそれぞれ発展するというのは不思議な動向ですね。 西崎　3種類のビール系飲料がそれぞれ需要を獲得しているのは、もしかすると、日本人独特の「松竹梅」の感覚に根ざしたものなのかもしれませんね。「松は無理だけど梅ではつまらないから竹にしよう」、「今日は頑張って松にしよう」と、こんな感覚に近いのかもしれません。 もっとも、マーケティングの教科書に則って言えば、真ん中に位置する発泡酒の存在価値をどう作っていくかは、今後の大きな課題です。価値が差別化されていない、価格が中間の商品は、生き残るのが難しいですから。 ■ビール系飲料は非常に複雑で難しい市場となってきていますね。 西崎　複雑になっているのはビール系飲料に限らないので