三重県伊勢市内に実在する商店街をモデルにした小説を、伊勢市在住の作家秋杜（あきと）フユさん（39）が発表した。商店街の温かい人間模様を描いた小説「ようこそ伊勢やなぎみち商店街へ」（集英社オレンジ文庫…

「アジアカンファレンス」開幕直木賞・安部さんと「君ソム」監督トーク　アジアなど七つの国と地域のドラマ制作者らが集う国際会議「第１６回アジアテレビドラマカンファレンスｉｎ能登」が３日、七尾市・和倉温泉の旅館あえの風で始まった。３日間の日程で、初日は、市を舞台にした漫画「君は放課後インソムニア」の実写映画を手がけた池田千尋監督と「等伯」で直木賞を受賞した作家安部龍太郎さんらのトークセッションなどがあり、市民約１５０人が集まった。（大野沙羅） 会議は、韓国のプロデューサーのシン・ヒョンテクさんと脚本家の市川森一さんがアジア圏ドラマのレベルを高め、米ハリウッドを超える文化産業の発展を目指してスタート。過去の開催地は韓国が中心で、七尾は２月の初開催から連続で選定された。 今回は市民を招き、市内で撮影が行われた映画「君は放課後インソムニア」を上映。続いて池田監督と安部さん、七尾高校出身で日本大芸術学部

明治・大正期の建築様式を伝える国の重要文化財「六華苑」（桑名市桑名）が1913（大正2）年の完成から110周年を迎えたことを記念し、市は六華苑を舞台にした子ども向けの絵本「ケロッカとクワッカ」を作った。同市在住の絵本作家はっとりひろきさんが手がけた。（大島康介）

福井市を舞台にした青春ラブコメ小説「千歳くんはラムネ瓶のなか」（チラムネ）と市のコラボキャンペーン第三弾が十九日、市内各地で始まった。初日は著者で同市出身の裕夢（ひろむ）さん（３６）のサイン会が開かれたほか、市内の施設や神社が「チラムネ色」に染まってファンを楽しませた。十月一日まで。　（曽根智貴）

伊勢神宮の参拝後は観音様のいるお寺めぐりを――。その手引となる「伊勢西国三十三所観音巡礼～もう一つのお伊勢参り」（風媒社）を三重県明和町在住の文筆家、千種（ちくさ）清美さん（60）が20日に刊行する…

長泉町井上靖文学館（静岡県長泉町東野）が今年、設立50周年を迎える。幼少期を伊豆で過ごし、作品でもゆかりの深い作家・井上靖（1907～91）の功績をたたえ、存命中に設立。本人もたびたび訪れて講演した…

作家の綿矢りささんが阿智村を舞台に執筆した短編小説「星空胎内(たいない)めぐり」が１日、村内の観光施設や旅館で発売される。阿智昼神観光局は「阿智でしか買えない、読めない作品。お土産として持ち帰り、阿智を思い出してほしい」とアピールしている…

県ゆかり作家がキャラに、人柄など紹介　金沢市小立野の県立図書館で六日、近代の人気作家をキャラクターにしたゲーム「文豪とアルケミスト」とコラボした企画展「十二文豪図書館ニ降臨ス」が始まった。キャラクターの等身大パネルや資料六百点を並べ、作家の人柄が分かるマニアックなエピソードも紹介。ゲームファンも、そうでない人も楽しめる展示となっている。　（戎野文菜） 「泉鏡花と徳田秋声は不仲だったのか」「室生犀星と芥川龍之介の友情は…」。パネルには石川の三文豪をはじめ、太宰治や志賀直哉ら十二人にまつわるエピソードが記されている。 展示の目玉は、芥川と犀星の二人のサインが入った県立図書館が所蔵する署名本。二人は仲が良く、芥川から贈られたサイン本に、犀星も署名した上で県立図書館に寄贈した。甘党といわれる芥川が犀星と一緒に金沢でお汁粉を味わったエピソードとともに並べている。 ゲーム会社と協力して今回の展示を企画

浜松市が舞台の漫画「焼いてるふたり」に関するイベントが、浜松市北区の浜名湖サービスエリア（ＳＡ）で開催されている。登場人物の等身大パネルや複製原画などが展示されている。十月二十三日まで。 焼いてるふたりは、二〇二〇年九月から青年漫画誌モーニング（講談社）で連載中のハナツカシオリさんの作品。浜松市に転勤してきた福山健太と東京に離れて暮らす妻の千尋が、バーベキューなどアウトドアを通して仲を深めていく物語だ。 イベントは単行本八巻の発売を記念して、浜松市、浜名湖ＳＡ、講談社が企画。ＳＡ内のフード館には複製原画十枚や作中に登場するしそギョーザなど料理八品のレシピを展示。市内の観光名所やキャンプ場を紹介した地図もあり、漫画の一コマと実際の写真を比較できるようになっている。

浜松市中区在住の小説家いぬじゅんさんが、天浜線の三ケ日駅（北区三ケ日町）周辺を主な舞台にした青春小説の発表を続けている。昨年五月に「この恋は、とどかない」（集英社オレンジ文庫）、今年五月に「この恋が、かなうなら」（同）を刊行。奥浜名湖地域の飲食店や観光スポットが実名で登場する。いぬじゅんさんは「本を読んだ人が地域を訪れてくれればうれしい」と期待する。　（小佐野慧太） 「この恋は、とどかない」は、クラスメートたちの恋愛話に嫌気が差し、同級生の和馬とうその恋人を演じることになった高校生の陽菜（ひな）が主人公。次第に和馬の魅力に引かれていくが、和馬にはひそかに心を寄せている人物がいることに気付く。二人は、三ケ日駅に併設されている実在の「グラニーズバーガー＆カフェ」でアルバイトをしているという設定だ。

津市久居幸町の書店「ブックハウスひびうた」が開店から１周年を迎えた。主に編集者が１人で活動する出版社の本に光を当ててきた。本を紹介するイベントにも力を入れ、運営する村田奈穂さん（３５）は「世に知られていない本と読者の橋渡しをして、生きづらさを感じる人の気持ちが和らぐ場所にしたい」と語る。 書店があるのは福祉施設兼フリースペース「コミュニティハウスひびうた」の二階。古民家の物置だった空間に設けた本棚にエッセーやノンフィクション、詩集など約五百冊が並ぶ。毎月二十～三十人が訪れ、平均約四十冊が売れている。

芥川賞作家の上田岳弘さん（４３）による阿智村を舞台に描いた短編小説「夜に浮かぶ」が二十三日、出版され、村内の宿泊施設などで販売が始まった。入浴剤が付いたお土産セットで、同日、村内の昼神温泉郷で記者会見した上田さんは「すばらしい旅の記憶を思い出すきっかけになれば」と話した。 「夜に浮かぶ」は妻子とともに旅行で阿智村に来た男性が、学生時代に当時の彼女と同村を訪れた際の思い出を回想するラブストーリー。上田さんは執筆のため昨夏ごろに阿智村を訪れ、川遊びや星空鑑賞など滞在時に体験した出来事を盛り込んでいる。

特設コーナーの聖地巡礼ノート（左）と、一押しの３巻をアピールするケンゾーさん＝いずれも福井市のエルパ内「ＡＫＵＳＨＵ　ＢＯＯＫ＆ＢＡＳＥ」で ２年連続部門１位「チラムネ」 福井市は二〇二二年春、同市出身の作家・裕夢（ひろむ）さん（３４）が故郷を舞台に描く青春ラブコメ小説「千歳（ちとせ）くんはラムネ瓶のなか」とコラボした観光ＰＲに取り組む。十一月発売の宝島社の雑誌「このライトノベルがすごい！」で昨年に続き文庫部門一位に輝いた。中高生を中心に「チラムネ」の愛称で絶大な人気を誇る作品の魅力を通じ、若年層に福井をアピールしていく。　（北原愛） チラムネは、藤志（ふじ）高校に通う主人公・千歳朔（さく）と個性的なヒロインらとの友情や恋愛、悩みに向き合う姿を描く。エルパやヨーロッパ軒、８番らーめんといったおなじみの場所、随所にちりばめられた福井弁も楽しみどころだ。小学館ガガガ文庫から六巻まで発売中。

学生向けシェアハウスも併設　店舗の移転のため今年２月から休業していた小松市龍助町の古本カフェ「こまつ町家文庫」が、隣町の八日市町の町家で再オープンした。歴史ある町家の雰囲気とともに、５０００冊の古本や地元の食材を使ったメニューを楽しめるカフェで、観光客や地域住民に愛される店を目指す。中心市街地の魅力を知ってもらおうと、新たに学生向けシェアハウスを併設した。金田奈津代代表（４５）は「人と人をつなぎ、心のふれあいができる場所にしたい」と話す。　（井上京佳） こまつ町家文庫は二〇一〇年、本をシェアして住民同士の交流を生み出そうと、金沢市のＮＰＯ法人により、リサイクル図書館としてＪＲ小松駅に近い龍助町で期間限定で開店した。民間企業の経営を経て、一五年に当初からのスタッフだった金田さんらが定期営業のカフェとして運営を引き継いだ。県内外から人気の店で、周辺の商店と協力して販売イベントを開くなど、まちの

松本市安曇の上高地にある「五千尺ホテル上高地」を拠点に活動するガイド組織「ネイチャーガイド　ファイブセンス」のディレクターで、ガイドネーム「さくら」こと山部茜さん（３４）。観光客を相手に自然を案内する傍ら、ホテルを経営する「五千尺」が新たに制作したガイドブック「ネイチャーガイド　さくらの上高地フィールドノート」で主に執筆を担当した。ガイド経験を基に上高地の名所や自然をまとめ、「一読して上高地がイメージができるものを目指した」と自信をのぞかせる。　（右田誠弥）

「ＴＯＵＴＥＮ　ＢＯＯＫＳＴＯＲＥ」をオープンした古賀さん。選書した料理本や旅行記、小説などが並ぶ＝名古屋市熱田区で 地元愛知で書店を開きたいと活動してきた古賀詩穂子（しほこ）さん（２９）＝名古屋市中川区＝が一月十六日、同市熱田区に「ＴＯＵＴＥＮ　ＢＯＯＫＳＴＯＲＥ（とうてん・ブックストア）」を開いた。クラウドファンディング（ＣＦ）で開店資金の一部を集めて実現。「本屋という存在が求められているとあらためて知った。感謝の気持ちでいっぱい」と話す。 店舗は金山総合駅南口から徒歩七分、沢上商店街の中にある。時計店だった建物を改築した。一階には県産杉の本棚を設置し、雑誌や絵本、話題書など、古賀さんが選んだ三千冊弱を並べた。「売れ行きを見ながら少しずつ冊数を増やしていきたい」という。入り口付近にはコーヒーや焼き菓子な...

チェコ出身の作家、フランツ・カフカ（一八八三〜一九二四年）の著書「変身」を読んださまざまなジャンルの芸術家による作品展「ＢＯＯＫ＋：２０２０　カフカ変身展」が、瀬戸市銀杏木町のギャラリーカフェ「ボウショコーヒーファクトリー」で開かれている。三十一日まで。　（吉本章紀） 一昨年同店でスタートした、本から着想を得た作品を集めた企画展「ＢＯＯＫ＋展」の第二弾。今回はある朝、目覚めたら虫に変わっていた男性の物語「変身」が題材。...

◇「渡り鳥とカタツムリ」 車中泊テーマ 能登巡る　「住める駐車場」がコンセプトで車中泊ができる穴水町川尻の施設「田舎バックパッカーハウス」が、漫画の舞台になる。作品は漫画家の高津マコトさん（３９）が昨年十月から連載する車中泊がテーマの「渡り鳥とカタツムリ」。主人公たちが施設を拠点に能登の里山里海を巡る中で出合う美しい風景や人々の暮らしぶりを描く。　（森本尚平） 車中泊をしながら全国を旅して絵の題材を探す絵本作家の渚（なぎさ）つぐみと、社会人二年目の望月雲平（うんぺい）の二人が主人公。仕事や上司との関係で悩む雲平がひょんなことからつぐみと出会い、車中泊をしながら各地を巡り「バンライフ」の魅力にはまっていく。初心者の雲平がつぐみから手ほどきを受ける形で、車中泊の基礎知識やマナーなども紹介されている。 作品を通し「旅の自由さを描きたい」と高津さんは語る。車中泊をテーマにしたきっかけは、会員制交流

浜松市西区入野町の住宅街に、私設図書館がオープンした。喫茶スペースも設けられ、小説やビジネス書、絵画、漫画など多彩なジャンルの蔵書がゆったり楽しめる。オーナーの大場雅仁さん（６２）は「気楽に本を読んでもらえれば」と話す。　（袴田貴資） 壁一面にずらっと並んだ蔵書は三千冊余り。カフェエリアでコーヒーを注文し、カウンターやテーブル席で好みの本を楽しむ。屋外のテラス席は、ペットも同伴できる。近くには佐鳴湖があり、散策途中の休憩場所にも適している。 大場さんは、東京都内で設計士として活躍していた。都市設計などに携わり、建築や土木関係書、ビジネス書など幅広く本を読む必要があった。元来の本好きだったこともあり、自然と蔵書がたまったという。六十歳の定年退職を契機に、本を有効利用できないかと考え、空き家だった実家を自宅兼図書館に建て替えた。

泰阜村のＪＲ飯田線温田駅前で二十七日、鉄道関連の書籍を集めた「古本喫茶ぬくぬく書店」がプレオープンした。伊那市境の漫画家橋爪まんぷさん（８０）が壁に飾る飯田線のイラストを寄贈。合唱団が鉄道にまつわる歌も披露し、開店を祝った。 プレオープンしたのは阿南町北條で「おどもカフェ」を営む尾崎真理子さん（３９）。特色のある古本屋を開きたいと考えていたところ、知人から「飯田線の秘境駅を生かしたら」と助言を受け、テーマを「鉄道と旅」に決めた。知人やオープンを知った鉄道ファンからも寄贈があり、旅行記、鉄道にまつわる小説、時刻表や旅行雑誌の古本千冊以上を集めた。