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滅びゆく世界で主人公がひとりの女性を追いつづけるストーリーは、J・G・バラードの傑作『結晶世界』... 滅びゆく世界で主人公がひとりの女性を追いつづけるストーリーは、J・G・バラードの傑作『結晶世界』(創元SF文庫)に似ている。そこに広がる光景が、客観と主観の区分を越えた内宇宙であることも同じ。ただし、結晶世界がその極限において官能的なユートピアとなるのに対し、カヴァンの氷は最初から最後まで冷酷だ。 氷は海にも山にも妨げられることなく、日一日と地球の曲面をひそやかに這い進んでくる。この氷を止める手だてはどこにもない。非情な秩序のもとに行軍し、その進路にあるすべてを倒壊させ破滅させ跡形もなく消し去っていく。 終末が迫るなかで、語り手の私はひとりの少女を追いつづける。アルビノの銀白色の髪、やせた身体、繊細な神経、ガラスのように硬くもろい人格。そんな少女に私は夢中になり、かつて結婚しようと思ったことがある。しかし、彼女は突然、私を捨て、別な男性と一緒になった。それはもう過去のことだ。いま異郷から戻