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冬の早い日が暮れ、大阪・此花区の住宅街にチャルメラが響く。 「おっちゃん、ラーメン一つ!」。2階... 冬の早い日が暮れ、大阪・此花区の住宅街にチャルメラが響く。 「おっちゃん、ラーメン一つ!」。2階の窓からのぞいた顔に、屋台から声が飛んだ。「おうよ!」 ラーメン屋台「イナリ軒」が今年、「開店」50年を迎えた。引くのは、長坂精二さん(69)。夕6時から夜0時まで、阪神なんば線千鳥橋駅辺りを回る。 今の屋台で3台目。小まめに修理しながら、もう30年になる。LEDライトのちょうちんには「只今(ただいま)金欠中」。明かりは石油ランプだ。 メニューは6種類。スープはしょうゆベースで、500円のラーメン(チャーシュー2枚入り)から、1千円のチャーシューワンタンメンまで。「精をつけろ」と、若い客にはニンニクを足してやる。 「お帰り」「お疲れさん」。家路を急ぐ人に声をかける。ふと、町工場の前で屋台を止めた。半開きのシャッターから漏れる明かりに、いきなり叫んだ。 「あんまり残業すな!」 「あいよ!」。中から
2014/01/26 リンク