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昨今、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加をめぐる議論が姦(かしま)しい。 反対派は「わ... 昨今、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加をめぐる議論が姦(かしま)しい。 反対派は「わが国農業を急速に崩壊させる」と拳(こぶし)を振り上げるが、実態はどうなのか。1994~96年、WTO金融・電気通信サービス貿易の交渉官を務めた筆者にも一言言わせてほしい。 そもそもTPPは単なる自由貿易協定ではない。TPP交渉はアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けた取り組みの一つであり、自由で透明性の高い経済圏に中国を「関与」させるという、日本にとって重要な地政学的意味があることを忘れてはならない。 もちろん、TPPにはさまざまな批判がある。「実質は日米FTAにすぎず、日本は一方的不利益を受ける」とか、「実質関税自主権の放棄であり、農業が大打撃を受ける」などと喧伝(けんでん)されている。 果たして、本当にそうなのだろうか。 関税撤廃で日本の農業は潰れるというが、世界の農業は既に「脱関
2011/11/03 リンク