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家庭や医療機関で体調を調べるのに欠かせない電子体温計。かつての水銀体温計との違いは,表示がデジタ... 家庭や医療機関で体調を調べるのに欠かせない電子体温計。かつての水銀体温計との違いは,表示がデジタルになったというだけではない。計測に要する時間も大幅に短縮しており,そこにマイコンが大きく貢献している。マイコンは電子体温計の中でどのような働きをしているのか。日本で初めて短時間での計測機能を備えた電子体温計を開発したテルモに話を聞いた。 テルモはもともと,水銀体温計で国内トップの生産量を誇っていたメーカー。そのテルモが1983年に電子体温計を開発し,2年後の1985年には水銀体温計の生産を打ち切ったのは,「水銀」に対するイメージの問題だった。体温計に使う水銀は「無機」水銀で,環境問題でやり玉にあげられる「有機」水銀とは異なるものの,イメージの悪さは否めない。そこでわずか2年の短い期間で水銀体温計から電子体温計に一気にシフトしたのである。 電子体温計を開発するに当たっての問題の一つは,いかに水銀