復活したノートルダム大聖堂、困難極めた再建事業の全容をイラストとともに解説

復活したノートルダム大聖堂、困難極めた再建事業の全容をイラストとともに解説

フランス・パリのノートルダム大聖堂は火災前の姿、つまり19世紀に改修を手がけたウジェーヌ゠エマニュ...概要を表示 フランス・パリのノートルダム大聖堂は火災前の姿、つまり19世紀に改修を手がけたウジェーヌ゠エマニュエル・ビオレ゠ル゠デュクが残した姿に修復されることになった。「私たちには手をつける権利はありません。よみがえらせるだけです」と、改修工事の責任者であるフィリップ・ビルヌーブは言った。 とはいえ、大聖堂の内部は大きく変わり、この世の誰も見たことがないほど明るくなった。壁もステンドグラスも、絵画や彫刻も、汚れを除去したうえで修復された。すべてが一斉に元の姿を取り戻したのは、19世紀以来のことだ。 2024年夏の初め、私（筆者）は新しい家具の製作現場を見るため、フランス南東部のローヌ渓谷にある鋳造所を訪ね、パリ教区から新しい祭壇など、典礼用の備品の製作を委嘱された彫刻家兼デザイナーのギヨーム・バルデに会った。鋳造用の炉がある作業場では、顔をバイザーで覆い、分厚い耐熱エプロンを着けた2人の作業員が、ど