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日本有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・... 日本有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 川崎駅近くのタワーマンションから見下ろした川崎サウスサイドのランドスケープ。 あたし達の住んでいる街には 河が流れていて それはもう河口にほど近く 広くゆっくりよどみ、臭い 河原のある地上げされたままの場所には セイダカアワダチソウが おいしげっていて よくネコの死骸が転がっていたりする “River's Edge(川縁)”という長閑な題名を付けられたそのコミック・ブックは、しかし、以上のような不穏なモノローグで始まる。今からもう22年も前になる94年6月に単行本が発売された岡崎京子の『リバーズ・エッジ』(宝島社)は、彼女の代表作のひとつで、同作