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「投げ方が分からなくなっていた」 高校時代の柿木の投球フォームは真上から投げ下ろす豪快さがあったが... 「投げ方が分からなくなっていた」 高校時代の柿木の投球フォームは真上から投げ下ろす豪快さがあったが、プロ入り後は彼の登板を目にする度にフォームが大きく変化していた。ある時は脱力した投げ方に、またある時は山本由伸(現ドジャース)を模したような投げ方に。トライアウトでは、ややヒジを下げたスリークォーター気味の投球フォームとなっていた。 「自分で意図してフォームを変えていたわけでもないんです。どうやって投げたら真っ直ぐの入射角や変化球の落ち幅、曲がり幅が理想に近づくのか。その時々で、一番良いボールが投げられるフォームを意識してきました。プロ入り後、自分が一番苦しんだのは、イップスでした」 イップスとは以前までは当たり前にできていたことが、突然、できなくなってしまうアスリート特有の運動障害だ。たとえば、一度のデッドボールを機にインコースにボールを投げられなくなったり、一塁への悪送球によって短い距離