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いまの日本でこの音楽を聴くと、“汚さ”に違和感を覚えるだろう。すっかりお馴染みのシティポップ・マナ... いまの日本でこの音楽を聴くと、“汚さ”に違和感を覚えるだろう。すっかりお馴染みのシティポップ・マナー、これをやっておけば誰からも嫌われないだろうというネット時代の倦怠、保守的で、品性が良いだけのkawaii国では、ドレッドヘアーの汚らしいラッパーの歪んだサウンドは、まず似合わない。 逆に言えば、小綺麗な日本のシーンに居場所がない人にとっては、ゴンジャスフィの『カルス』から広がる荒野は心地良いだろう。汚さ……というものがなくなりつつある世界において、西海岸の(異端児)ラッパーは、4年ぶりの新作で、照りつける太陽と砂漠のような怒りをぶつけている。トム・ウェイツが幻覚剤を通して西海岸のビートを摂取したような、錆びたサンプルで歌うブルース歌手、悪夢と人生を賛歌するような、いろいろな感情が入り混じったなんとも魅惑的なアルバムである。ぜひ、聴いて欲しい。こんなサウンドもありなんだと、ひとりでも多くの人
2016/08/27 リンク