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重いクンデラ試練の道を あいかわらず四つん這いになっていたトマーシュは、後ずさりし、体を縮めて、ウ... 重いクンデラ試練の道を あいかわらず四つん這いになっていたトマーシュは、後ずさりし、体を縮めて、ウワーッと唸りだした。そのクロワッサンのために闘うふりをしてみせたのだ。犬は主人に自分の唸り声で応えた。とうとうやった!それこそ彼らが待っていたことだったのだ!カレーニンが遊びたがっている!カレーニンにはまだ生きる意欲があったのだ! その唸り声、それがカレーニンの微笑だった。 (p.336)*1 ≪感想≫ 再読、いや再々読だろうか。15年ほど前に集英社版で読み、気に入りの本の1つだった。著者の小説論である『カーテン』もわざわざハードカバーで買って読み、『冗談』も岩波版が出れば早速買って読んでいた。そして何を隠そう、本ブログのタイトルも、印象深かった本書第7部「カレーニンの微笑」から拝借している。最初は「ウラジミールの呪い」にしようと思っていた。本を読んでいるといつも、ナボコフならどう読むだろう・
2023/05/01 リンク