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満開の桜並木を歩いていると、自分はこのまま異世界に抜けていくのではないか、と思えるときがある。 毎... 満開の桜並木を歩いていると、自分はこのまま異世界に抜けていくのではないか、と思えるときがある。 毎年、飽きもせず同じような写真を撮ってきたが、今年はあまり気が乗らない。ただ、見つめて、見渡して、桜を感じながら歩いていたい。 桜に限らず、今を咲き誇る花々をちゃんと見て、褒めてあげたいと思う。“今”を意識して心に刻みたいと思う。来週のことはもう、わからないから。来年また見られるとは、言い切れないから。 外を歩いているとき、杖をついた老婦人を見掛けると、思わず駆け寄りそうになる。そんなことがここ2年ほど、よくあった。 ああ、お母さんじゃないんだ。 ああ、お母さんはもう、いないんだ。 気がついて、ぼんやり歩いていた自分に呆れ、その後、寂しい気持ちになる。 これからは、体形が父に似た老紳士を見掛けても、ふと駆け寄りそうになるのかな。 ああ、お父さんじゃないんだ。 ああ、お父さんはもう、いないんだ。
2022/03/31 リンク