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子どもの頃、私に芸術への志向を植え付けたのは父だった。 父は一介の高校の国語教師だったが、ロマン派... 子どもの頃、私に芸術への志向を植え付けたのは父だった。 父は一介の高校の国語教師だったが、ロマン派の音楽とルネサンス絵画を人類最高の芸術だと信じ、またロダンの彫刻と飛鳥の仏像をこよなく愛していた。 父の書斎には、広隆寺の弥勒菩薩の写真が飾ってあった。腰をかけて右足首を左の膝に乗せ、右手の指先を頬に向ける半跏思惟像の姿勢を取っている。切れ長の目は伏せられ、物思いに耽っているようだ。 私がじーっとその写真を見ているのに気づいた父は、「この人、何か考えてるみたいでしょう?」と言った。 「何考えてるの?」と私は訊いた。 「世の中の人々を幸せにするにはどうしたらいいか考えているんだよ」 「ふーん」 えらいことを考えているもんだと思った。だがそう思って改めて写真の仏像を見ると、本当にそう見えた。この人は何千年も世の中の人々を幸せにすることについて考えているのだ。すごいな。 京都国立近代美術館にロダンの