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前の話:第四章 - 兵法 9月25日午後9時、ぼくは祖父とラゴと共に南黒町団地から約二キロほど離れた廃神... 前の話:第四章 - 兵法 9月25日午後9時、ぼくは祖父とラゴと共に南黒町団地から約二キロほど離れた廃神社の鳥居の前にいた。 鳥居の周囲にほとんど街灯はなく、鳥居のすぐ脇にある電信柱に設置された防犯灯だけが、鳥居の周囲を古びたモノクロ写真みたいにぼんやりと浮かび上がらせていた。 祖父はいつも自宅にいる時と同じ履き古したジーンズにヨレヨレになった白い長袖のTシャツ、そして年季物のアディダスのスニーカーという、ちょっと散歩にでも出かける時のようなラフな出で立ちだった。そしてラゴは昨日と同じ、闇夜に同化してしまいそうな漆黒のパンツスーツに身を包んでいた。祖父は雑木林の中で拾ってきたような自分の身の丈ほどもある自然木の太い枝のような物を手にしていたが、ラゴの手には何も握られてはいなかった。ただ背中にはあの巨大な岩みたいなバックパックを背負っていた。 そしてラゴの背後には、昨日の話にあった二人の助っ
2017/10/01 リンク