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個人と國家の關係について、大きく二つの考へがある。個人が目的で國家はその手段とみなす個人主義と、... 個人と國家の關係について、大きく二つの考へがある。個人が目的で國家はその手段とみなす個人主義と、國家が目的で個人はその手段とみなす國家主義である。人間の歴史は、この二つの思想のせめぎ合ひだつたといつてよい。國家主義は人間の古くからの素朴な感情に根づく一種の宗教であり、それだけに人の心を強くとらへる。國家によつて個人の自由や生命・財産が奪はれるのを避けたければ、個人主義を學び廣めなければならない。 およそ百年前、明治末期の日本では國家主義が急速に勢ひを増してゐた。對外的には日清戰爭(1894-95)、日露戰爭(1904-05)に勝利して軍事的な膨脹主義を強め、韓國併合(1910)に踏み切つた。對内的には明治天皇の暗殺を企てたとして幸徳秋水ら社會主義者・無政府主義者二十四名に死刑判決が下される大逆事件(1910-11)が起こるなど、反國家的な思想・言論が彈壓され始めた。さうした傾向に警鐘を鳴ら
2015/08/08 リンク