九条燃ゆ前に（２） - on the ground

九条燃ゆ前に（２） - on the ground

この記事は「九条の護衛者たち（三）」「九条の護衛者たち（四）」を素材として加筆・修正を施したもの...概要を表示 この記事は「九条の護衛者たち（三）」「九条の護衛者たち（四）」を素材として加筆・修正を施したものです。 （１）へ 現実主義的理想主義的護憲論 現代の護憲派を理論的側面でリードしている渡辺治は、大塚のような理想主義的な護憲論と、内田や長谷部のようにある程度現実を容認するような護憲論との、あいだを行く。渡辺は、9条は解釈改憲によってボロボロになっており、自衛隊を認めた上で野放図な海外派兵などを防ぐために新たに歯止めをかける必要があるとする「解釈改憲最悪論」に反論し、もし9条が何の役にも立たなくなっているのであればわざわざ改正する必要はないはずであると言う。改正しようとする動きがあるということは、9条に未だ力があるということを意味する、と。その上で渡辺は、憲法は現実と全く一致するということがないものだと主張する。憲法は現実と緊張関係を持っているからこそ、その実現に向けて努力すべき規範として意味を