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本シリーズで筆者が担当した2回の小論(「『知識』の果実を手に入れる難しさ」および「『ガラパゴス化』... 本シリーズで筆者が担当した2回の小論(「『知識』の果実を手に入れる難しさ」および「『ガラパゴス化』が絶滅の道をたどる理由~『必要は発明の母』を正しく理解する」)では、知識の利用過程としてのイノベーションに焦点を当てたが、今回は知識の創造過程の特徴、特にプライオリティーを巡る競争について述べよう。 研究開発においては、生産、販売などと比べても、先行者となることがより重要である。研究開発は事業の一番川上であり、研究開発で先行することが、事業化における先行者の優位性の源泉となる。 加えて、学術論文と同様に「世界初」でなければ発明への特許権を獲得することができない。企業が特許権を得ることはイノベーションの成功を保証するものではないが、その重要な条件の1つである。 一番乗り競争では1番手以外の利益がゼロ 特許権は排他権であるので、仮に同時期に複数の企業が同じ発明をしていた場合、先に特許権を獲得した企
2010/06/20 リンク