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記憶のある限り、ぼくは本屋さんに通って育った。母親は自分で会社をしていて忙しかったのだろうが、毎... 記憶のある限り、ぼくは本屋さんに通って育った。母親は自分で会社をしていて忙しかったのだろうが、毎月のように、二子玉川の高島屋の中にある紀伊国屋に、小学校低学年のぼくを連れていってくれた。そしてこう言うのだ。「好きな本を選びなさい。」 ぼくの頭の中には、紀伊国屋の地図ができあがっていた。文庫本エリアは「おとなの本」で、つやのない表紙の新潮文庫に対しては、特に大人な印象を持っていた。たしか中学に入る頃まで、新潮文庫は一冊も読まなかったと記憶している。ぼくはもっぱら児童小説のエリアで、表紙を見て本を選んでいた。ミヒャエル・エンデ。ガンバの冒険。エジソンの伝記。多い時は15冊くらい一度に買っていたのではなかろうか。会計のところで、母親の財布から福沢諭吉が飛びたっていく様子を、ぼんやりと覚えている。 中学に入ったくらいに、「おとなの本」もぼちぼちと読むようになった。おとなの本のエリアを探索しはじめた
2013/11/13 リンク