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イカ墨で文字を書くと消えるとする俗説があり、意外に人口に膾炙している。アニメ『一休さん』で出てき... イカ墨で文字を書くと消えるとする俗説があり、意外に人口に膾炙している。アニメ『一休さん』で出てきたようで、その記憶がある人がネットでたまに話題にするようだ。この話、どうやら江戸時代に流行したらしい。自分が確認した限り日本でもっとも古いものは『和漢三才図会』の烏賊の項にでてくるものだ。『本草綱目』(李時珍,1596,南京)の記述を取り込んだようだが、本草学の隆盛によって時代がくだるといろいろな話にとりこまれたもよう。『大岡政談』村井長庵之記にこの俗説を用いたトリックがでてくる。『大岡政談』のネタ元の1つの『本朝桜陰比事』にもこの俗説を利用した話があるようだ。 此たびの手形は兼(かね)て拵(こしら)へたる物なり。烏賊の黒みに粉糊(このり)を摺(すり)ませて書る物は。三年過(すぐ)れば白紙になるといふ事本草に見へたり。 井原西鶴『西鶴諸國咄・本朝櫻陰比事』119頁-120頁,岩波文庫,1932*
2021/08/04 リンク