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速水健朗『自分探しが止まらない』 ミステリには、真相探しと自分探しの相乗効果を狙った作品がある。事... 速水健朗『自分探しが止まらない』 ミステリには、真相探しと自分探しの相乗効果を狙った作品がある。事件に巻き込まれた記憶喪失の人間がいて、彼が真相を発見すると同時に、本当の自分も知ることになる――というストーリーに典型的であるような。だから、ミステリ評論も行っている僕としては、“自分探し”や“探すこと”に以前から関心を持ってきた。 その点、速水健朗『自分探しが止まらない』は、そうそう、こういう本を読みたかったんだ――という内容である。ウッドストック開催の60年代までさかのぼり、自分探しの歴史をよく整理してくれている。『あいのり』が「恋愛観察バラエティ」ではなく「“自分探し”観察バラエティ」――という指摘だとか、ラーメン屋の作務衣に自分探しのノリを見るくだりなど、とても面白い。 浅田彰『逃走論』と上野千鶴子『〈私〉探しゲーム』 速水はこの本の発売直前、自身のブログに中身の見出し一覧を掲示してい
2008/03/11 リンク