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訓読 >>> 秋の夜(よ)を長しと言へど積もりにし恋を尽(つく)せば短(みじか)くありけり 要旨 >... 訓読 >>> 秋の夜(よ)を長しと言へど積もりにし恋を尽(つく)せば短(みじか)くありけり 要旨 >>> 秋の夜は長いと言うけれど、積もりに積もった恋心を晴らすには、何とも短く感じられる。 鑑賞 >>> 男が、女と充実した夜を過ごし、夜明けに帰ろうとする時に詠んだ形の歌です。秋の夜長を詠んでいますが、古来、実りの秋、紅葉の秋は、日本人が最も愛した季節だったらしく、『万葉集』の季節歌でも、秋の歌が最も多くなっています。 作者未詳歌 『万葉集』に収められている歌の半数弱は作者未詳歌で、未詳と明記してあるもの、未詳とも書かれず歌のみ載っているものが2100首余りに及び、とくに多いのが巻7・巻10~14です。なぜこれほど多数の作者未詳歌が必要だったかについて、奈良時代の人々が歌を作るときの参考にする資料としたとする説があります。そのため類歌が多いのだといいます。 7世紀半ばに宮廷社会に誕生した和歌