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台湾、あるいは孤立無援の島の思想 作者:呉叡人 みすず書房 Amazon この本で特に印象深かったのは、国民... 台湾、あるいは孤立無援の島の思想 作者:呉叡人 みすず書房 Amazon この本で特に印象深かったのは、国民党の馬英九政権に対して、台湾の社会運動が強力な抵抗を行い、民進党への政権奪回を実現したばかりか、民進党の政策を多文化主義的・脱資本主義的な方向へと大きく転換させた経緯を描いた論考、「社会運動、民主主義の再定着、国家統合」だ。 当時の馬英九政権(二〇〇八~二〇一六年)は、小選挙区制のもとで、四分の三近い圧倒的な議席を獲得。それを背景に、司法権を含む三権の支配と、メディアの掌握によって、親中国・新自由主義推進の権威主義的政治を行っていた。それが数年の間に、激しい抵抗と批判にさらされ、やがて民進党に政権を明け渡すことになるのだが、その主役は、あくまで社会運動、著者の言う「市民的ナショナリズム」の力であって、政党(民進党)ではなかったことを、著者は強調する。 その自立的な力は、台湾の人びとの
2022/02/14 リンク