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皇帝ペンギンは子供を守るために何ヶ月も絶食をし、さらにパートナーが運んできた餌も胃の中で留め置く... 皇帝ペンギンは子供を守るために何ヶ月も絶食をし、さらにパートナーが運んできた餌も胃の中で留め置くことで自分の栄養にせずに子供に与えると言われている。すなわち、この間のエネルギーは体脂肪を β酸化して合成したアセチルCoA を使うが、同時にアセチルCoA から合成したケトン体をエネルギー源として使っている。どこかで読んだが、コウテイペンギンは子育てが始まると2ヶ月ぐらいまでは血中ケトン体が上昇を続けグルコースのようなエネルギー源として働く。ただケトン体の効果はエネルギー源にとどまらず炎症を抑えたり筋肉機能を上昇させたりすることが知られているが、特に脳神経に対する様々な作用は実際の臨床にも使われている。 ケトン体の脳神経への機能を調べた論文を2編読む機会があったので今日はそれを紹介することにした。最初のスタンフォード大学からの論文は、ケトン体の一つ βhydrooxybutyrate (BHB