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網野善彦の本はだいたい読んだほうがいい、というのがぼくのスタンスである。 最近では岩波新書の『日本... 網野善彦の本はだいたい読んだほうがいい、というのがぼくのスタンスである。 最近では岩波新書の『日本社会の歴史』全3冊がベストセラーになって、これまで中世の社会経済の構造や王権や宗教の構造に関心がなかった人々がしきりに読むようになった。ぼくもこの岩波新書については日本経済新聞で書評をして、その波及に一役買った。網野さんも、あの書評の直後から売れ出したようですね、とまんざらでもなさそうだ。 が、ほんとうのところをいうと、あの本は流れをつかむのには、前半部は充実していてなかなかいいのだが、日本史全貌の充実をすべて期待するには、ちょっと濃密すぎて、網野本の通史としてはやや重たい。 また多くの中世論もかたっぱしから読んでほしいのだが、それらはどの一冊がいいともいえない複合連鎖に満ちている。 そういうわけで、網野善彦の何を勧めるかというと、いつもけっこう迷うのだが、この『日本の歴史をよみなおす』は、筑
2016/08/07 リンク