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【カイロ和田浩明】北アフリカ・チュニジアのベンアリ大統領(74)が14日、サウジアラビアに事実上... 【カイロ和田浩明】北アフリカ・チュニジアのベンアリ大統領(74)が14日、サウジアラビアに事実上亡命し、23年間にわたった独裁体制が崩壊した。高失業率や政治的抑圧に反発した国民による、昨年来の反政府デモの高まりに抗しきれなくなった。民衆の怒りが権力者を引きずり下ろすという、アラブ圏では極めて異例の事態だ。専制的な体制で貧富の差が大きいのはアラブ諸国に共通しているだけに、周辺国政府はチュニジア情勢の展開に警戒感を強めている。 人口約1000万人のチュニジアは近年、歴史的に関係の深い欧州諸国との貿易を強化して年率3~5%の経済成長を続けてきたが、富が大統領一族に集中する一方で、年間8万人以上の大卒者のうち2万~3万人は就職できないなど「貧富の差への国民の怒りは鬱積していた」(西側外交筋)。同国の表面的な「安定」は、政治的自由を制限し、反体制派を抑圧する強大な警察力によって維持されてきたのだ。
2011/01/16 リンク