注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
膳場 岳人 久々に溜飲の下がる日本映画を見た。俳優はほぼ無名、DV撮影、わずか50分の小さな作品だが、... 膳場 岳人 久々に溜飲の下がる日本映画を見た。俳優はほぼ無名、DV撮影、わずか50分の小さな作品だが、あれよあれよと引き込まれ、見終わったころにはすっかり頬が緩んでいた。大味なメジャー作品に辟易した映画ファンに、ぜひお勧めしておきたい。 その語り出しはきわめて類型的だ。万引き常習犯の年増女(篠原あさみ)を、スーパーの警備員(加藤雅人)が脅す。いわく、「警察は呼びたくない。穏便に済ませたい」。場所は女の自宅玄関。男は欲情に駆られ、女を押し倒す。だが行為は未遂に終わる。翌日、スーパーに女が現れる。男は告発を恐れて怯え、謝罪する。ところが唇に紅を引いた女は、寛容な微笑を浮かべて、「夕飯食べにこない?」と誘いをかけるのである。 万引き女を脅し、肉体交渉に持ち込もうとする男――その出会いはクリシェを通り越してパロディめいているが、こうした「型」を踏襲したことで、かえって物語の先行きはスリリングになる