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絶対見逃すな! Hulu独占だった実写版「十角館の殺人」が地上波放送&TVerで見逃し配信されるぞ
2024年12月26日 08:30
みなさん、ミステリーはお好きですか? お好きですね? 小説でも映画&ドラマでも漫画でも、ミステリーファンが推理モノに触れるときは、謎解きのヒントを逃さないよう、ひたすら眼を凝らして楽しむのがお決まりだ。作者の仕掛けたトリックを“見破る快感”を目指して、受け手の我々はその作品に没頭する。
しかし私には、この世にたった1人、「この人にだけは騙されたい」と思う推理小説家がいる。綾辻行人(あやつじゆきと)だ。理由は、氏のデビュー作「十角館の殺人」(1987年)を読んだとき、“騙される快感”を知ってしまったから。
終盤に出てくる“たった一行”(というか一言)だけで、それまでのストーリーを覆す見事な大どんでん返し。海外古典ミステリーファンほど騙される華麗な仕掛けに、まんまとハマったわけだが、それはトリックを見破る以上に気持ち良い経験だった。あのとき以来ずっと、綾辻行人にだけは騙されたい。
さて、そんな日本中の綾辻ラバーにとって、2024年は年明けから忙しかった。上述の「十角館の殺人」が、Hulu(フールー)オリジナルドラマとして3月に実写化したからだ。これは大ニュースだった。
“実写化不可能”と言われた「十角館の殺人」、まさかの実写化
というのも、綾辻行人は主に“叙述トリック”の人である。叙述トリックとは、作者が“文章の記述上の仕掛け”によって読者をミスリードする推理小説の手法。いわば、文章の書き方でトリックを作る演出だ。その特性上、一般的に「叙述トリック作品を実写化するのは不可能」とされることが多い。
しかも「十角館の殺人」は、世界の叙述ミステリーの中でもトップクラスにシンプルで完璧な、「“たった一行”で全てを覆しつつ、真相も説明する叙述トリック」を実現した作品。シンプルすぎて、映像的な演出の入る余地がなさそうに思えるのである(だからこそ、登場から37年が経過した今なお名作として語り継がれる面もある)。
なので本作がHuluで実写化されると発表されたときも、「一体どうやって“あの一行”を実写化するんだ?」と誰しもが思った。しかしフタを開けてみると……なるほど。“あの一行”を、ちゃんと実写でやっていた。
▼Hulu「十角館の殺人」配信ページ
https://www.hulu.jp/jukkakukannosatsujin
「十角館の殺人」は、過去に漫画雑誌「月刊アフタヌーン」で漫画化されているのだが、今回の実写ドラマ版もそれと通じるトリック演出と言えるだろう。あと、そもそもドラマとしてクオリティが高く、ネット上でも多くの原作ファンが絶賛の嵐。今どきの原作モノの成功例の一つになっている。
先日発表されたHuluの「2024年 年間視聴ランキング」でも、本作は総合3位に入るヒットぶりだし、ATP(全日本テレビ番組製作社連盟)が運営する第40回「ATP賞」のドラマ部門で奨励賞も受賞するなど、注目を集め続ける作品となった。
なんと12月30日から地上波放送&Tver見逃し配信も!
【本文追記について】放送地域が拡大されたため、本文に追記しました。(12月26日18時55分)
で、前置きが長くなってしまったが、ここからが本題。なんとこの実写ドラマ版「十角館の殺人」が、この年末年始に日本テレビ(関東ローカルほか)でノーカット地上波放送されるのだ。なんかもう大サービスである。
これまでHuluの独占配信だったため、本作のためにHuluに入るか悩んでいた人も多いのではないだろうか。何がどうなって今回の地上波放送が決定したのかわからないが、とりあえず見逃す手はない! ……と思って、本記事を書いている次第だ。
本作は全5話で構成されている。日テレ(関東ローカル)での放送日時は、第1話&第2話が2024年12月30日(月)25時24分〜、第3話が2025年1月1日(水)24時50分〜、第4話が1月2日(木)25時44分~、第5話が1月3日(金)25時44分〜。
放送は日テレ(関東ローカル)のほか静岡第一テレビ、広島テレビ、ミヤギテレビ、読売テレビなど一部地域なので、視聴エリアは限られるのだが……そこもご安心を。なんと、今回はTVerで見逃し配信までされる。第1話&第2話は放送終了後から見逃し配信、第3話以降は2025年1月7日(火)以降に順次配信予定とのこと。年末年始を経て、ちょっと落ち着いたタイミングで観れちゃうわけだ。
なお筆者個人は、すでにHuluで本作を視聴済みなので、特に地上波放送の恩恵をすごく受けるわけではないのだが……。これを機に実写ドラマ版「十角館の殺人」がより多くの人の目に触れるんだな、という喜びにただ溢れている。
原作を読んでから観るべきか、読まないで観るべきか
なお、原作未読の方に対しては、小説の“あの一行”から受ける衝撃を体験しないまま実写ドラマ版を観るのは、少々もったいない気がするのも事実。しかし同時に「原作を知らずに観れば、ドラマのあのシーンで超驚けるんだよな」とも思うので、かなりジレンマ。
原作を読んでから観るか、読まないで観るか……実写ドラマ版のクオリティが高いだけに、どちらをオススメすべきか悩ましい。
一応言うと、さすがに映像の方がビジュアル的な情報量が多く、それがヒントになるので、真相に気づきやすいとは思う。文字情報だけの原作の方が遥かに騙されやすいし、その分衝撃は大きいかもしれない。
原作未読で確実に騙されたい方は、第1話が放送される12月30日(月)25時24分までに原作を読み切って、その上で実写ドラマ版を視聴するのも良いだろう。原作を読んでいても楽しめるドラマになっているので、損はしないはずだ。
そんなわけで、実写ドラマ版「十角館の殺人」のあらすじは以下のとおり。さあ、この年末年始はみんなで綾辻行人に騙されよう。
十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する、角島(つのじま)。
1986年、“十角館”を建てた天才建築家・中村青司(なかむら・せいじ)は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。
半年後、無人島と化していた角島に、K大学ミステリ研究会の男女7人が合宿で訪れる。
その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南孝明(かわみなみ・たかあき)のもとに【死んだはずの中村青司】から1通の手紙が届く。
<十角館に滞在するミス研メンバー>と<死者からの手紙>。
「偶然とは思えない」―。江南は調査を進めるなか、島田潔(しまだ・きよし)という男と出会い、行動を共にしていく。
一方“十角館”では、ミス研の1人が何者かに殺害される。「犯人は一体誰だ?」疑心暗鬼に陥り、互いに仲間を疑いはじめるメンバーたち…孤島である角島から出ることができるのは、1週間後。
2つの物語から起こる【想像を超えた衝撃の結末】とは。