2025-09-17

網の中のあゆみ

大地は震え、空は息をひそめた。

網が張られ、歩む者の足は絡め取られる。

芽生えた声は、夜の囁きに消えそうになった。

掟は静かに忍び寄り、深い眠りを置く。

その眠りは罰でもなく、守る者の意志の跡。

揺れる大地の中、誰もがその跡を辿る。

遠く、叫びは波に溶ける。

届くか届かぬか、時の霧の中で揺れる。

歩む者の意志は、その揺らぎの中で確かに立つ。

隣の地では網がさらに重く、告げる声は孤独

沈む。

だがここでは、網の中でも芽は伸びる。

静かな問いが、深く、深く地に刻まれる。

かつて奪われた伴侶の影が、土を震わせた。

それは消えず、歩む者の呼吸に染み渡る。

座にある者の言葉は、風に溶け、地に降る。

伝統の名で他者を縛ることは、正当化

されぬ」

網は残り、地は揺れ、危機は押し寄せる。

だが芽生えた意志は歩き、揺れる中で確かに

生きる。

声は風に乗り、歩みは夜を越える。

自由は、奪われるものではなく、問い直す

ものとして存在する。

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