この気持ちをどこに打ち明ければいいのか、とにかく吐き出したい。
いわゆる本番ありの風俗で出会ったんだが、とにかくあそこが強烈だった。
別の生き物かと思うくらい蠢き、締め付けてくる。ある時は柔らかくある時は千切れそうなほど締め付ける。
多分、感度が良すぎるのだろう。指を入れただけで痙攣するのだから。
正直、他の女とやってもイケなくなるほど、強制な名器だった。
もちろん、こっちもすぐイカされていたのだが、回を重ねるごとにコツをつかみ、秒殺だけは避けられるようになった。ずっと味わいたい名器だったのだ。
顔は普通だけど、性格も気が合い、常連になった。正直、好きになっていった。毎週のように通った。メールで話もしたし、同伴出勤もした。
仕事の愚痴を言い合う仲になった。もちろん、嬢と客としての仲だけど、それでもよかった。
そして、ある日、風俗を止めると連絡があった。
俺は自分の想いを打ち明けた。会えなくなるのは悲しい。寂しくなる。でも、風俗を止めるのは個人的に嬉しいと。
彼女はどう感じたのか。その後も会ってくれると言ってくれた。
ただし、こっちがお金を出す形だけど。
そして、その後も会うことになった。と、同時に、二人の環境が変わっていった。
店ではとても愛想が良かったのに、非常に無愛想になる事が多くなった。
体型も変わった。華奢な身体だったのに急に肥えだしたのだ。
だけど、名器だから関係は続いた。全てのマイナスを打ち消しにする名器だったのだ。
こっちも環境が変わった。
転勤が長引き会えなくなった。
それでも、数ヶ月に一回は帰っていたが、それも次第に間隔が空いていった。
久しぶりに会いたくて連絡したのだが、向こうの都合に合わせられなかった。
そして彼女から、「会いたいという気持ちが無いなら、会わなくていい:という拒絶の言葉を投げかけられた。
その言葉の中の「ずいぶん前に引退しているのに」の一言に、打ちのめされた。
ふと考える。
多分、名器に魅せられた愚かな男と、見捨てられなかった女の関係に過ぎないのだろうけど。
そんな訳で、一人で酒を飲んでいる。
虚しさと、心の底で「あと一回くらいやりたかったな」という未練と一緒に。
個人経営の売春婦と客
アソコの恋人、イッテ