Spajamの本選に出てきました!
結論から申し上げますと、賞は受賞できず、特にプランナー力で他チームとの差を感じる悔しい結果となりました。
悔しさを忘れない為にも、次年度に生かす為にも、体験談を記録しておこうと思います。(伸びしろですね、Nerver Give Up!!!
Spajamとはどういうハッカソンか、Spajam予選の体験談は下記事に書いたので、ご確認下さい!(予選に勝ち上がると、本選に出れるという流れです)
Spajam本選の流れ
概要
公式サイトにも記載がありますが、「ライムリゾート箱根」という温泉旅館に2泊3日(土曜~月曜)で宿泊させてもらい、土日の24時間でハッカソンをしてきました。
(普通に泊まると一泊数万する旅館に、無料で泊まれるのはありがたかったです!
1日目
朝10:00到着を目標に、自宅を出発しました。
(遠方のメンバは、小田原などに前泊していたみたいです)
バス道中はかなりの混雑+急カーブの遠心力で、結構疲労しました。。
到着予定が9:58頃だったのですが、バスが遅れて実際には10:20ごろにつきました。
チームで受付して、部屋の整備。
2段ベッドとロフト付きの部屋でした。
11:00からは予選と同じく、アイディアソンとテーマの発表が行われ、12:30くらいから昼食かね開発が始まりました。
テーマ発表とアイディアソンの様子
今回のテーマは「ととのう」と発表されました。
昨今だとサウナでととのえる、などが流行りの言葉になっていましたが、
・計画を立てる
・部屋を片付ける
・人生を好転させる
・日本語を綺麗な言葉にする
・教室の場を(理解度を)整える
・ねづっちです
などがアイディアソンで出ていました。
2日目
予選と同じく、13:30まで開発し、その後発表会がありました。
発表会の後、審査員の方10名が3チームに分かれ、各チームに部屋に伺いデモを体験する時間がありました。
その後最終発表があり、17:00~から懇談会がありました。
自分は眠くて早くに寝てしまったのですが、暖炉で焼きマシュマロを食べたり、遅くまで飲んでいた人も多かったです。
どんなものを作ったか
座禅により心身が「ととのう」体験を目指し、スマートフォンの技術を使ったデジタルな座禅体験が可能となるアプリを開発しました。
座禅で組む手の上にスマートフォンを置き、姿勢と腹式呼吸を計測しつつ、振動と音声でフィードバックし、評価するという内容です。
従来の座禅アプリでは、単に音を聞くor映像を見るのみだったところを、スマートフォンのセンサをフル活用した、インタラクティブな体験を目指しました。
画面設計、システム構成は以下です。
React Nativeを使ったシンプルなアプリケーションで、センサ処理や体験フィードバックがポイントとなります。
興味がある方は、以下スライドをご確認ください。
敗因分析
チームでも反省会をして色々出たのですが、一番は
「プロダクトをデモとプレゼンで”魅せる”為に、重点的に取り組むべき項目を間違え、審査員から推してもらうポイントを用意しきれなかったプランナー力の敗北」
と僕は思っています。
(一応、肩書上は僕がプランナーでした。)
以下、細かい反省箇所を列挙します。
①時間の使い方に失敗した。
今回、アイディア決めがかなり難航して、これで行こうか。。?となったのが18:30頃でした。予選が10分くらいで決まりかけたこと、18:30頃には簡単なデモが出来る状態にだったこともあり、メンバ全員が少し焦っていました。
(実際はこのくらい時間かけても良いものですし、焦る必要はなかった。。)
この後、分担として
1. 信号処理をして腹式呼吸判定を安定化させる
2. バックエンド実装、各種センサ機能確認
3. 画面設計、音声/デザイン用意、プレゼン準備
と言う形で進めたのですが、結果としては1に翌日朝までかかり、2は音声機能が最後まで安定しませんでした。もっとデモで見せる部分のみを注力して、体験価値の機能のみを重点的に作るべきだったと思います。
※ただ、予選では「画面構成がしっかりしている」「チュートリアル画面まであるのは素晴らしい」と言った評価もあったので、体験部分が間に合っていれば、、という結果論でもありました。
どこに人手をかけ、注力すべきかは状況によって変わるのは当たり前で、優先度を適宜アップデートして、チーム内の意思を勇気をもって統一する働きかけをすべきだったと反省しています。
②プレゼン、デモ向けにきっちりとは動作が完成しなかった
Spajamに限らずハッカソンはDemo is Firstであり、デモでいかに伝えたい機能を動作させるかが勝敗を分けます。机上のアイディアではエンジニアは納得できません。
今回は①の「時間の使い方」に失敗した結果、デモが不完全となってしまいました。僕らのアイディアは「スマホの新しい使い方の提案」であり、技術やデザインで尖ったプロダクトでない以上、特に体験で価値を訴求する必要があったのですが、そこに失敗したのは、厳しかったと思います。
”視点が新しい”とは思って貰えたのですが、”凄い!!”という体験まで到達する必要がありました。
③審査員が推せる要素を用意できなかった
Spajamの審査ポイントは以下4点と、初日に説明があります。
・テーマ性
テーマに沿って利用者と共感できる価値を提供できているか
・ユニークさ
アイディアが優れているか
・実装力
きちんと動作するか、UI/UX及び技術的要素が高い水準にあるか
・プレゼン力
伝えられるか
振り返ると、
テーマ性:メンタルヘルス系は、個人の主観的な内容であり共感しずらい
(即時的効果もない、、
ユニークさ:これはある程度評価して貰えていた。もう少し「スマホでしかできない体験」をアピールしても良かった+オモシロ要素を入れても良かったと思う。
実装力:デモが不完全だったので、、、
プレゼン力:発表者のスキルは高かったが、本選では盛り上がりの緩急で空きが来させないレベルの発表が求められる。デモが今一という制約が大きかった、、
と言う感じで、ユニークさ以外は推しづらい内容でした。
話を聞くと、最優秀賞を取ったチームは、実は審査員の1人がアイディアソンで話していたアイディアだったこと、プレゼンとデモでしっかりアプリを使って盛り上げていた事、根幹技術をフルスクラッチで実装していたなど、(意図していたかはわからないですが)審査員が推しやすい要素を複数個作っていました。
審査員が10人いるハッカソンで当然意見は分かれるので、強烈に推してくれる人を作る仕掛けづくりが大事だったなと思います。
その他(これは言い訳)
・6年ぶり+普段は生活圏が異なるメンバでの参戦で、意思疎通コストが他チームより高かった。
(オンライン予選を通しても、完全に今住む場所+普段の環境が違うチームは自分たちくらい。開発環境の統一、役割分担、熱量などチーム開発は難しい要素があり、普段から一緒にいるとやりやすいと思う)
・普段は機械学習をしており、スマホアプリ開発は未知の世界だった。
・エンジニア3人チームで、本業のデザイナーとプランナーがいなかった。
(一応、消去法で自分が担当でした、、)
・強みの機械学習をReactNativeで動かす事前準備に失敗した
(tensorflowのreactnativeサンプルが動かないってどういうこと、、)
感想
少し落ち込みもしましたが、それでも本選に出れて良かったです。
「プランナー力」は技術力/デザイン力とは違って定義が難しいですが、はっきりと凄いと分かる方々に打ちのめされたことで、また一歩成長出来そうです。短期のハッカソンでは不確実性な要素がありつつも、安定して評価させる要素を意識して作ることの重要さを学びました。
また、昔同じハッカソンに出ていて審査員をやっている憧れの方より、総評で「やりたいことはしっかり伝わった」と励ましてもらえ、懇談会でハッカソンに出る意義やその後の活動について意見を貰えたのが、自分の人生として大きな収穫でした。
(そろそろハッカソンを引退するべきか、とも迷っていたのですが、本業しっかりやりながら活躍してる方々を見ると、そうも言っていられないですね、、)
何より、今回6年ぶりに同じハッカソンに出た仲間と、久しぶりにガッツリ話せて楽しかったです。意見をしっかり戦わせて、喧嘩でき、失敗してもなおまた一緒に挑戦してくれる仲間は何者にも代えがたく、一生の戦友として今後も長く活動できたらと嬉しいなと思っています。
余談
ハッカソン終わった日(3日目)はチームで一緒に小田原城を観光しました。小田原城は比較的最近に改築されたためか、アトラクションやインタラクションコンテンツの出来が素晴らしいお城で、大変楽しい観光でした!
来年Spajam本選に行く方は、終了後ぜひ。
あと、旅館のネット環境がちょっと特殊だった(確かサブネットが/24系ではないのと、ReactNativeでExpoを使う際にTunnelを使う必要があった)ので、ちょっと意識しておくと良いです。
あと、トランプと名刺を持っていくと良かったかも。交流大事。