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TECH WORLD HACKATHON2025に参加してきました!

12/12(金)~12/14(日)に開催されたTECH WORLD HACKATHON2025に参加してきました!以下,体験記です。

(総じて最高なハッカソンで次回も開催されますように+参加しましょう!という願いでの執筆です✊

luma.com

ハッカソンの概要

TECH WORLD HACKATHON2025 は、2025年12月12日(金)〜14日(日) に、東京都中央区築地の 株式会社LayerX 東京本社 を会場に開催されました。

テーマは 「日本が抱える社会課題を、事業として解決せよ」 で、少子高齢化や観光、若年層の生活課題など、さまざまな社会的テーマに対して技術・ビジネス両面からアプローチするプロダクトの立ち上げが求められました。

審査は最終日のプレゼンテーションで行われ、以下の観点が評価基準として設けられていました:

  • 社会課題にどれだけ本質的に切り込んでいるか

  • 技術的な完成度

  • 事業としての実現可能性(収益性)

優勝チームには 賞金 50万円 、他にもスポンサー企業からの特別賞が授与されました。

エンジニア向けメディア TechWorld が主催していることや、審査員に著名なエンジニア/起業家である中島聡さんが審査をされることでも話題になりました。

x.com

www.youtube.com

参加した経緯

きっかけは Twitter(X) でした。

昔参加したSechack365というハッカソンの修了生が投稿したツイットを見て、面白そう!知り合いがいるなら参加しても大丈夫そう!と勇気をもらい、参加登録しました。

(僕自身の投稿を見て「じゃあ参加してみようかな」と決めた人もいたりして、 こうした横のつながりの強さを改めて実感しました。

sechack365.nict.go.jp

スケジュール

1日目(12/12(金))

初日は 20時集合

があり、その後はチーム結成。今回は 4〜5人チーム という制約があり、

当日現地でSechack365修了生同士で DM やり取りして 「一緒にやりませんか!」と声をかけてもらい、チームが組めました。

夜はピザを食べながらアイデア出しをして、22時以降も議論継続。 最終的には 23時半頃まで Mac を囲んであーだこーだ話していました。

この時点で「観光」というテーマが浮かび、

  • 新婚旅行でわからない観光物があり、自分向けに解説して欲しかった

  • 台湾旅行で治安的にスマホを取り出せなかった

など、メンバーの実体験から課題が見えてきました。たまたま(?)ARグラスを持っていたチームメイトがいて、「これ、AR グラスで解決できるんじゃ?」という話になり、 AR(XR)× 観光 をテーマに進めるのが第一方針になりました。

※この日の夜はピザとお惣菜がでました!美味しかった!!

2日目(12/13(土))

11時に会場集合し、昨日に続けてテーマについて議論。

お昼のお弁当を食べ終わったあたりで、おおよその開発物を決定しました。

メンバーは5人いて、以下のような役割分担になりました。

  • プレゼン・リサーチ

  • スマホアプリ+リーダー(なんでも)
  • VLM+RAGサーバ開発
  • データ基盤開発+組み込み
  • 各種サポート(スマホアプリのデザイン、組み込み開発、プレゼンなど)

全員がハッカソンの参加者としても運営者としても経験あり、Vibe Codingにも慣れていたので、開発自体はかなり順調に来ました。とりあえずのデモはこの日動くところまで持っていけたのは良かったなと思います。

20時に会場が閉まった後、24時くらいまではDiscordでやり取りしましたが、しっかり7時間ほど寝ました。

お昼に出たお弁当が美味しくてテンションあがる。

なんと間食におにぎりが!!

(確か元エンジニアの方が立ち上げたおにぎり屋さんと説明ありました。無茶苦茶おしゃれで美味しかった。御礼も兼ねてお店行きたい。。!

あと、スタバのコーヒーも飲み放題で最高でした。

3日目(12/14(日))

この日は10時開場。

12時くらいまでは仕上げ開発し、その後に

  • デモ動画撮影

  • スライド構成作成(notionで文章骨格を作成)

  • Genspark(+Manus)で一気にスライドを生成

という流れで進め、14:30にスライド、デモ動画、Githubリンクを提出しました。

お昼に出たひつまぶし弁当。地元食!!

懇談会のお寿司!!

自チームの作成物

僕たちのチームが作ったのは、

①観光地の情報DBを容易に作成するデータ基盤と、②観光地の情報を個人の嗜好を考慮しながら提示するARグラス向けアプリケーション です。

全体構成

  • 観光地情報を容易に収集するデータ基盤

  • VLM(Vision-Language Model)を使ったサーバ@さくら高火力サーバ

  • スマホアプリ(電脳コイル的なかっこいいデザイン表示)

自分の担当

① 観光情報データ基盤

WikipediaGoogle Maps、Web Search などの情報を組み合わせ、 LLM に観光地説明を生成させる仕組みを実装しました。

LLMによる生成は素早く手間いらずですがハルシネーションが怖く、 情報ソースを明示的に混ぜる形で精度も担保する観光地説明DB作成一気通貫のコードを実装しました。

以上を基に、ハッカソンの開催された銀座周辺のデータベースを作成しました。

(ちなみに近い試みが論文で発表されており、中国チベット周辺での観光DB作成の事例がありました。

RAG-Optimized Tibetan Tourism LLMs: Enhancing Accuracy and Personalization

https://arxiv.org/pdf/2408.12003

② ボツになった案(組み込み系)

途中まで検討していたのが、 AR グラスではなく 肩乗り音声デバイス 案。

M5Stack の LLM 音声モジュールを使い、 サーバーと通信して指定テキストを喋らせる実装まで行いました。

最終的には「今回のプレゼンには不要」と判断し、 自分から提案してこの案は止めて、データ基盤に集中しました。

docs.m5stack.com

他のチームのテーマ

雑多なメモですが

・絵に英語で命を吹き込み
・AI会話ファシリテーター
・海外からの旅行者向け地震時サポート
・介護の計画自動作成
・ごみ捨てを楽しくするゲーム

・窓口手続きを楽にする
・地方移住人生ゲーム(双六)
・政策選択ゲーム
・荷物の積み込みシミュレーション
・自撮りから魅力的な写真生成
都道府県対応歩数計アプリ
などでした!Slerよりの内容からゲーム的な内容まで様々でした。

感想

結果として 受賞はできませんでした

ただ、審査はとても誠実で、 事前に公開されていた通り

「どれだけ社会課題に切り込んでいるか」

が重視されていた印象です。

派手さはなくても、 しっかり課題に向き合ったチームが優勝していて、 とても納得感のある結果でした。

正直、自分たちは

  • 自分たち自身の強いペインではないテーマ

  • 5分で伝え切るストーリー設計

の部分が甘かったな、と反省しています。

一方で、

  • バイブコーディングを教え合えた

  • スライドも爆速で作れた

  • 「また一緒にハッカソン出よう」という関係ができた

という点は大きな収穫でした。

環境面も本当に素晴らしく、

  • 食事・飲み物の提供

  • さくらの高火力サーバーが使える

  • 各種ツール使い放題

ここまで整ったハッカソンはなかなか無いと思います。

参加者層も非常に良く、 技術・発信・コミュニティ活動に積極的な人が多く、 良い縁がたくさんできました。

スポンサーの方々とも話せて、 LayerX さんのオフィスに初めて行けたのも嬉しかったです。

 

ぜひ 第2回の開催 を期待していますし、 迷っている方がいたら 全力でおすすめしたいハッカソン です。

Open Source Summit Japan 2025にボランティアスタッフとして参加しました!~ボランティアスタッフは良いぞ~

Open Source Summit Japan 2025にボランティアスタッフとして参加しました!

以下、簡単な体験記となります。

(結論としてはとても良かったです。是非来年一緒に参加しましょう✊

events.linuxfoundation.org

Open Source Summit Japan 概要

Open Source Summit Japan(OSSJ)は、The Linux Foundation が主催する、日本最大級のオープンソース系カンファレンスです。

2025年は 12月8日(月)〜12月10日(水)の3日間 開催され、時間はだいたい 9:00〜18:00。会場は虎ノ門エリアでした。

今回の特徴は、以下の 3系統のカンファレンスが同時開催 されていたこと。

複数トラックが同時並行で進んでいて、どこを見てもオープンソースの最前線の話題ばかり。

来場者は 1,000人超 と聞いており、海外から来日して発表・参加している方も多く、英語セッションも普通に飛び交う「国際カンファレンス」感のあるイベントでした。

ボランティアスタッフとして参加した経緯

今年から同じグループ会社の方がボランティアリーダーを担当されたみたいで、社内でカンファレンス紹介とボランティアスタッフ募集の案内が流れてきました。

元々自分は各種ハッカソンや技術コミュニティイベントに育ててもらった経緯があり、

  • 「そろそろ参加者側だけじゃなく、運営側もやってみたい」

  • 「コミュニティに返す側に回りたい」

という気持ちをぼんやり持っていたタイミングだったこともあり、今回ボランティアとして参加することにしました。

※実は今年の夏にもSRE NEXTというイベントでNetwork Operation Centerボランティアスタッフとして活動しており、そこで知り合った界隈からもお誘いがありました。

※もう1つ、会社の仕事がひと段落して次のキャリアを考える中で、漠然とオープンソースを扱う仕事をしたいなという気持ちもあり、偶発的な出会いがあれば良いなとも思っていました。

※ボランティアだとチケット代が無料!というのもありました笑

 

ボランティアスタッフとしての活動

OSSJ のボランティアは、当日だけでなく 前日準備から参加 します。

前日

  • 会場設営

  • 受付や動線の準備

※自分は試験あり欠席でした🙏🙏

当日(3日間)

やったことは、ざっくり言うとこんな感じです。

  • 入場受付

  • セッション会場の管理・誘導

  • お弁当配布

  • Tシャツ・ノベルティ配布

  • チケットや資料配布

  • 参加者からの質問対応

いわゆる「カンファレンスが回るための全部」です。といいつつ、Linux Fundationの中の方々がメインの運営で、基本的にはサポートを行っていた形です。

ボランティアは 全体で50人前後。全員が毎日出られるわけではないので、シフトを組んで運営していました。

イベントあるあるですが、初日・朝が入場もあり忙しめでした。

感想

イベントのわいわい運営する感じも、講演も、企業ブースも楽しかったです!隙間時間で企業ブースも回ることが出来ました。

一番印象に残ったのは、

オープンソースコミュニティの熱量の高さ です。

多くの人がボランティアベースで関わりながら、これだけ大規模で国際的なイベントを成立させている。その事実だけでも、かなりグッときました。

一緒に運営した人たちも、

  • 技術への情熱が強い人

  • いろんなカンファレンスを渡り歩いている人

  • 実は過去に別のイベント、インターンで知り合っていた人

などなど、話していてとても面白い人ばかりでしたし、嬉しい再会もありました。

(変わらない情熱は嬉しいなと思いますし、成長していて嬉しいなとも!

個人的な収穫としては、

  • 英語を使う良い練習になったこと

  • 技術トレンドを広く把握できたこと

がまずあります。

それに加えて、セッションの中で Google Summer of Code(GSoC) のような「オープンソース初心者向けの育成プログラム」を紹介する講演を聞けたのも印象的でした。

内容としては大げさな話ではなく、「オープンソースに関わる入口はちゃんと用意されているんだな」と再確認できた、という感覚に近いです。

また、ボランティア同士での

「次はこのイベントおすすめですよ」 「このカンファレンスも面白いですよ」

といった情報交換も、かなり貴重でした。

さらに個人的に良かったのが、同じグループ会社でも OSSJ に仕事として関わっている部署の話を聞けたこと です。

OSSJ のような場に、

  • 業務として参加する

  • コミュニティ活動と仕事を接続する

といったキャリアパスの実例を知れたのは、今後を考える上でとても参考になりました。

ボランティアはいいぞ(まとめ)

改めての記載になりますが、

ボランティアスタッフは、いいぞ。

  • コミュニティに貢献できる

  • 人とのつながりが増える

  • 視野が広がる

  • 技術と情熱に直接触れられる

ちょっとでも興味があれば、ぜひ一度やってみてほしいです。

参加者として行くのとは一味違う景色が見えますし、新しい世界とその繋がりがきっと財産になります。

ぜひ次のカンファレンスで、ボランティアスタッフとして会いましょう!

 

暦本研・石黒研オープンハウス講演で話題に出たSF作品20個の概要とリンクを纏めてみた

暦本研究室オープンハウスの講演

「SF的思考で未来のAI/HCIを考える」で話題にでた作品メモです。

 

暦本先生の「研究のためにSFを読んでいるのではなく、SFを実現したくて研究者になった」という言葉が印象的でした。1人のSF好きとして、全部読んでいけたらなと思います!

(自分自身、SF作品から思想に影響を受けた要素は強く、暦本研の研究が好きな理由もそこにあるのかなと思いました。

rkmtlab.github.io

講演者のおすすめSF作品

ディアスポラ

30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。“コニシ”ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機や、人類がくわだてる壮大な宇宙進出計画“ディアスポラ”などを描いた、究極のハードSF。

誰の息子でもない

二〇二八年市民皆武装立国法により各家庭には携帯型対空ミサイルが配備。その保守システム管理と故人となった市民のネット内人工人格を消去することが安曇平市役所電算課で働くぼくの仕事だ。家族を捨て出奔した父が孤独死して十数年。ぼくの目の前に現れたのは死んだはずの親父のアバター=ネットファントムだった。

クララとお日さま

子供の成長を手助けするAF(人工親友)という人工知能搭載のロボットのクララは、ジョジーという病弱な少女の家庭で暮らすことになる。やがて二人は友情を育んでゆくが、一家には隠された大きな秘密があった……
愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問いかけ、読者の心を揺さぶる感動作。ノーベル文学賞受賞第一作。

話題に出た作品一覧

未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉

「ここではないどこか」への想像力を解放せよ。気鋭のSF作家であり、ITコンサルタントである著者が贈る理論と実践の書!――形骸化したルールや管理指標に絡めとられ、日本社会はいま停滞の中にある。イノベーションの経験も、その記憶すらも失われつつある。意味や価値のわからない仕事を再生産し続ける「制約事項」を爆破し、「本当のイノベーション」に向かって考える自由を取り戻すための思考法。

AIを生んだ100のSF

2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』『攻殻機動隊』『鉄腕アトム』『ドラえもん』『マトリックス』『三体』――SFの名作は、現在のAI(人工知能)にどのような影響を与えてきたのか?
AI研究者にインタビューを重ね、SFがもたらした影響を探った〈S-Fマガジン〉の連載企画「SFの射程距離」に、松尾豊×安野貴博の対談など数篇を追加して新書化。巻末にはAIの発展史に著名なSF作品100点を附載した年表を収録。生成AIが飛躍的な進化を遂げるいま、SFの意味を問い直す一冊。

ソフトウェアオブジェクトのライフサイクル

「息吹」という本の中にある、短編とのこと。テッド チャン作。

プロトコル・オブ・ヒューマニティ

BEATLESS』の著者が日本SF大賞星雲賞を受賞した最高傑作
不慮の事故によって右足を失ったダンサーの護堂恒明は、AI制御の義足を身につけることで人間性プロトコルを追究するが──。

われはロボット

ロボットは人間に危害を加えてはならない。人間の命令に服従しなければならない…これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。この三原則の第一条を改変した事件にロボット心理学者キャルヴィンが挑む「迷子のロボット」をはじめ、少女グローリアの最愛の友である子守り用ロボットのロビイ、ひとの心を読むロボットのハービイなど、ロボット工学三原則を創案した巨匠が描くロボット開発史。

東大教授の超未来予測

AI・脳・半導体量子コンピューター・地球温暖化など、第一線で活躍するスター東大教授たちが縦横無尽に語る。未来が楽しみになる教養が身につく1冊。

地獄の黙示録

1960年代末、ベトナム戦争が激化する中、アメリカ陸軍のウィラード大尉は、軍上層部から特殊任務を命じられる。それは、カンボジア奥地のジャングルで、軍規を無視して自らの王国を築いているカーツ大佐を暗殺せよという指令だった。ウィラードは4人の部下と共に、哨戒艇でヌン川をさかのぼる。

戦闘妖精 雪風 

SFマガジン〉(1979年11月号)に第1話「妖精が舞う」が掲載されてから約半世紀――。長きにわたり読み継がれてきた、神林長平のライフワークたる《戦闘妖精・雪風》。南極大陸に突如出現した謎の異星体ジャムと人類の闘いを、「言葉」「機械」などのテーマを絡みあわせ重層的に描いたシリーズは、第1作『戦闘妖精・雪風〈改〉』から最新作の『インサイト 戦闘妖精・雪風』までの5作が刊行されている。

火星3部作

神林長平によるSF小説のシリーズ。 『あなたの魂に安らぎあれ』、『帝王の殻』、『膚の下』の三作からなる。

月と地球の戦争によって地球が荒廃し、人類が滅亡の危機に立たされた遠未来。地球の復興が完了するまでの250年の間、テラフォーミングによって居住可能になった火星へと移送され、冷凍睡眠下に置かれる事となった人類の、火星への旅立ちから地球への帰還までを描いている。

あなたのための物語

西暦2083年。人工神経制御言語・ITPの開発者サマンサは、ITPテキストで記述される仮想人格《wanna be》に小説の執筆をさせることによって、使用者が創造性を兼ね備えるという証明を試みていた。そんな矢先、サマンサの余命が半年であることが判明。彼女は残された日々を、ITP商品化の障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとする。いっぽう《wanna be》は徐々に、彼女のための物語を語りはじめるが……。

クーデター入門

「クーデターはやる気と材料があれば素人でもできる! 」
事実上タブー視されていたクーデターの研究に真正面から取り組み、クーデターのテクニックを紹介するという驚きの内容。

超限戦 21世紀の「新しい戦争」

戦争の方式は既に大きく変わっている―。中国現役軍人(当時)による全く新しい戦争論。中国だけでなく、米国、日本で話題を呼びつつも、古書価格3万円を超えて入手困難となっていた戦略研究書の復刊。

光速エスパー1967

濃いスモッグが関東一帯を覆い、通信・レーダーが狂う異常事態が発生する東京。異端の科学者・古代博士は謎の組織に命を狙われ、瀕死の重傷を負った少年を助ける。少年の名はエスパー。宇宙侵略を企む独裁者に支配されるバシウト星から父母と共に脱出してきたという。独裁者との対決にむかう父母を見送ったエスパーは、古代博士の作った強化服に身をまとい、七つの力を駆使し、地球を狙うバシウトの企みを打ち砕く!!

接続された女(ジェイムズ・ティプトリーJr.短編)

民衆に無駄な消費を促進するとして、広告が禁止された近未来。企業に雇われた主人公が電極に繋がれて美女のアバターを遠隔操作で操り、セレブ界に潜入してこっそり商品の宣伝をする

Brainstorm(ブレインストーム)

人間の体験した記憶や感覚を、そのまま他人に追体験させることのできる装置、ブレイン・スキャン。リリアン・レイノルズ博士をチーフとする複合未来産業エヴァンス電子研究所の研究チームは、ブレイン・スキャンの完成に向けて知覚伝達の実験を続けていた。しかしその技術を軍事利用しようと、軍部が介入してくるようになる。リリアンは研究の軍事転用に強く反対する。やがて、ブレイン・スキャンを巡って事件が巻き起こる…。

Deja vu(デジャヴ)

543名もの犠牲者を出した凄惨なフェリー爆破事件。捜査官ダグは手がかりを握る一人の女性の遺体を見た瞬間、強烈なデジャヴに襲われた―「私は、彼女を知っている…」。彼は特別捜査班の一員として、政府が極秘に開発した【タイム・ウィンドウ】と呼ばれる映像装置を見せられる。その正体は、現在時間から《4日と6時間前》の映像を自由に見ることができる、驚くべき監視システムだった!まるで生きているかのように美しい彼女の姿を見続けるうちにダグは再びデジャヴを感じ、さらに「彼女を救いたい」と強く願うようになる…。

(ハリウッド映画でPoint Cloudを使った最初?)

月は無慈悲な夜の女王

2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した! 流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取され続けてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには……ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。

その他めも

講演のハッシュタグ

#暦本研・石黒研オープンハウス

 

 

 

暦本研・石黒研オープンキャンパス講演で話題に出たSF作品の概要とリンクを纏めてみた

暦本研究室オープンキャンパスの講演

「SF的思考で未来のAI/HCIを考える」で話題にでた作品メモです。

 

暦本先生の「研究のためにSFを読んでいるのではなく、SFを実現したくて研究者になった」という言葉が印象的でした。1人のSF好きとして、全部読んでいけたらなと思います!

(自分自身、SF作品から思想に影響を受けた要素は強く、暦本研の研究が好きな理由もそこにあるのかなと思いました。

rkmtlab.github.io

講演者のおすすめSF作品

ディアスポラ

30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。“コニシ”ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機や、人類がくわだてる壮大な宇宙進出計画“ディアスポラ”などを描いた、究極のハードSF。

誰の息子でもない

二〇二八年市民皆武装立国法により各家庭には携帯型対空ミサイルが配備。その保守システム管理と故人となった市民のネット内人工人格を消去することが安曇平市役所電算課で働くぼくの仕事だ。家族を捨て出奔した父が孤独死して十数年。ぼくの目の前に現れたのは死んだはずの親父のアバター=ネットファントムだった。

クララとお日さま

子供の成長を手助けするAF(人工親友)という人工知能搭載のロボットのクララは、ジョジーという病弱な少女の家庭で暮らすことになる。やがて二人は友情を育んでゆくが、一家には隠された大きな秘密があった……
愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問いかけ、読者の心を揺さぶる感動作。ノーベル文学賞受賞第一作。

話題に出た作品一覧

未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉

「ここではないどこか」への想像力を解放せよ。気鋭のSF作家であり、ITコンサルタントである著者が贈る理論と実践の書!――形骸化したルールや管理指標に絡めとられ、日本社会はいま停滞の中にある。イノベーションの経験も、その記憶すらも失われつつある。意味や価値のわからない仕事を再生産し続ける「制約事項」を爆破し、「本当のイノベーション」に向かって考える自由を取り戻すための思考法。

AIを生んだ100のSF

2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』『攻殻機動隊』『鉄腕アトム』『ドラえもん』『マトリックス』『三体』――SFの名作は、現在のAI(人工知能)にどのような影響を与えてきたのか?
AI研究者にインタビューを重ね、SFがもたらした影響を探った〈S-Fマガジン〉の連載企画「SFの射程距離」に、松尾豊×安野貴博の対談など数篇を追加して新書化。巻末にはAIの発展史に著名なSF作品100点を附載した年表を収録。生成AIが飛躍的な進化を遂げるいま、SFの意味を問い直す一冊。

ソフトウェアオブジェクトのライフサイクル

「息吹」という本の中にある、短編とのこと。テッド チャン作。

プロトコル・オブ・ヒューマニティ

BEATLESS』の著者が日本SF大賞星雲賞を受賞した最高傑作
不慮の事故によって右足を失ったダンサーの護堂恒明は、AI制御の義足を身につけることで人間性プロトコルを追究するが──。

われはロボット

ロボットは人間に危害を加えてはならない。人間の命令に服従しなければならない…これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。この三原則の第一条を改変した事件にロボット心理学者キャルヴィンが挑む「迷子のロボット」をはじめ、少女グローリアの最愛の友である子守り用ロボットのロビイ、ひとの心を読むロボットのハービイなど、ロボット工学三原則を創案した巨匠が描くロボット開発史。

東大教授の超未来予測

AI・脳・半導体量子コンピューター・地球温暖化など、第一線で活躍するスター東大教授たちが縦横無尽に語る。未来が楽しみになる教養が身につく1冊。

地獄の黙示録

1960年代末、ベトナム戦争が激化する中、アメリカ陸軍のウィラード大尉は、軍上層部から特殊任務を命じられる。それは、カンボジア奥地のジャングルで、軍規を無視して自らの王国を築いているカーツ大佐を暗殺せよという指令だった。ウィラードは4人の部下と共に、哨戒艇でヌン川をさかのぼる。

戦闘妖精 雪風 

SFマガジン〉(1979年11月号)に第1話「妖精が舞う」が掲載されてから約半世紀――。長きにわたり読み継がれてきた、神林長平のライフワークたる《戦闘妖精・雪風》。南極大陸に突如出現した謎の異星体ジャムと人類の闘いを、「言葉」「機械」などのテーマを絡みあわせ重層的に描いたシリーズは、第1作『戦闘妖精・雪風〈改〉』から最新作の『インサイト 戦闘妖精・雪風』までの5作が刊行されている。

火星3部作

神林長平によるSF小説のシリーズ。 『あなたの魂に安らぎあれ』、『帝王の殻』、『膚の下』の三作からなる。

月と地球の戦争によって地球が荒廃し、人類が滅亡の危機に立たされた遠未来。地球の復興が完了するまでの250年の間、テラフォーミングによって居住可能になった火星へと移送され、冷凍睡眠下に置かれる事となった人類の、火星への旅立ちから地球への帰還までを描いている。

あなたのための物語

西暦2083年。人工神経制御言語・ITPの開発者サマンサは、ITPテキストで記述される仮想人格《wanna be》に小説の執筆をさせることによって、使用者が創造性を兼ね備えるという証明を試みていた。そんな矢先、サマンサの余命が半年であることが判明。彼女は残された日々を、ITP商品化の障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとする。いっぽう《wanna be》は徐々に、彼女のための物語を語りはじめるが……。

クーデター入門

「クーデターはやる気と材料があれば素人でもできる! 」
事実上タブー視されていたクーデターの研究に真正面から取り組み、クーデターのテクニックを紹介するという驚きの内容。

超限戦 21世紀の「新しい戦争」

戦争の方式は既に大きく変わっている―。中国現役軍人(当時)による全く新しい戦争論。中国だけでなく、米国、日本で話題を呼びつつも、古書価格3万円を超えて入手困難となっていた戦略研究書の復刊。

光速エスパー1967

濃いスモッグが関東一帯を覆い、通信・レーダーが狂う異常事態が発生する東京。異端の科学者・古代博士は謎の組織に命を狙われ、瀕死の重傷を負った少年を助ける。少年の名はエスパー。宇宙侵略を企む独裁者に支配されるバシウト星から父母と共に脱出してきたという。独裁者との対決にむかう父母を見送ったエスパーは、古代博士の作った強化服に身をまとい、七つの力を駆使し、地球を狙うバシウトの企みを打ち砕く!!

接続された女(ジェイムズ・ティプトリーJr.短編)

民衆に無駄な消費を促進するとして、広告が禁止された近未来。企業に雇われた主人公が電極に繋がれて美女のアバターを遠隔操作で操り、セレブ界に潜入してこっそり商品の宣伝をする

Brainstorm(ブレインストーム)

人間の体験した記憶や感覚を、そのまま他人に追体験させることのできる装置、ブレイン・スキャン。リリアン・レイノルズ博士をチーフとする複合未来産業エヴァンス電子研究所の研究チームは、ブレイン・スキャンの完成に向けて知覚伝達の実験を続けていた。しかしその技術を軍事利用しようと、軍部が介入してくるようになる。リリアンは研究の軍事転用に強く反対する。やがて、ブレイン・スキャンを巡って事件が巻き起こる…。

Deja vu(デジャヴ)

543名もの犠牲者を出した凄惨なフェリー爆破事件。捜査官ダグは手がかりを握る一人の女性の遺体を見た瞬間、強烈なデジャヴに襲われた―「私は、彼女を知っている…」。彼は特別捜査班の一員として、政府が極秘に開発した【タイム・ウィンドウ】と呼ばれる映像装置を見せられる。その正体は、現在時間から《4日と6時間前》の映像を自由に見ることができる、驚くべき監視システムだった!まるで生きているかのように美しい彼女の姿を見続けるうちにダグは再びデジャヴを感じ、さらに「彼女を救いたい」と強く願うようになる…。

(ハリウッド映画でPoint Cloudを使った最初?)

月は無慈悲な夜の女王

2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した! 流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取され続けてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには……ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。

その他めも

講演のハッシュタグ

#暦本研・石黒研オープンキャンパス

#TechDriveSendai2025 向けに仙台市DX企業6社の予習をしていく!

「仙台から変革を起こすテクノロジーと人に出会う現地視察ツアー&交流会 ~アグリテックと商店街DXで感じる、地域を動かす情熱~ TechDriveSendai2025」

というイベントに参加させていただけることになりました。

社会インフラの老朽化、人手不足、地域産業の担い手不足──日本が直面する課題の多くは、仙台をはじめとする地方都市で顕在化しています。本イベントは、仙台市の地域課題とテクノロジー活用の現在地を知り、地域の産業や暮らしを変える企業とそれを動かす情熱的な人々と出会うバスツアーです。

今回は、仙台テック企業とのランチ交流、舞台ファーム美里グリーンベースでのスマート農業視察、クリスロード商店街でのデジタル活用事例見学を通して、現場の空気とリーダーたちの想いを直接感じます。
地方へのUIJターンが気になっている方々にとって、仙台のテクノロジー環境と暮らしの魅力を一度に体感できる貴重な機会です。
あなたのスキルが活きる“新しいフィールド”を、この旅で見つけてみませんか?

纏めると

・仙台テック(DX)企業と交流食事会

・舞台ファーム美里グリーンベースでスマート登場を見学

クリスロード商店街でのデジタル活用事例見学

・交通費が出る!!!

という素晴らしいイベントです。

 

本記事では、お世話になる企業6つの事前予習をしていきます。

techplay.jp

 

運営元:Tech Drive Sendai について

仙台市IT人材UIJターン推進・デジタル人材育成事業」が主催しているみたいです。

bd.techplay.jp

自分含め、多くのIT人材は東京など他県に就職してしまっており、仙台市が市をあげてUIJターン事業を推進しているということですね。

企業一覧

舞台ファーム【美里グリーンベース

レタスの収穫以外を全自動化した工場を運営する。

食と人と農業の未来のために、
持続可能な次世代への食糧供給システムを構築。
美味しい食の安心、安全、安定を「世界」に向けて創り続ける
未来の美味しいを"共に"創る企業です。

・野菜・お米の生産・販売
・農産物加工・販売(カット野菜/ホール野菜)
・農業経営に関するコンサルティング
・グリーンエナジー事業(農業生産・食品加工に掛かる電力関連事業)

youtu.be

butaifarm.com

クリスロード商店街振興組合

クリスロード商店街は、仙台駅から歩いて5分の自然光を透過する明るくて近代的なアーケード商店街です。三瀧山不動院には「仙台四郎」が奉られています。

www.clisroad.jp

コロナ渦で落ち込んでしまった店街への集客やインバウンドへの対策に課題を感じており、DX化の取り組み、仙台市や地元企業と共同で進めている。

https://www.city.sendai.jp/kyodosuishin/kurashi/manabu/npo/shimin/jisshijigyo/sedo/documents/r4houkoku_machikurusendai.pdf

note.com

農業法人 株式会社GRA

世界を、甘酸っぱくしよう。

GRA(代表:岩佐大輝)は宮城県山元町で、“食べる宝石”「ミガキイチゴ」の生産をはじめとする、農業のこれからの付加価値を様々な角度から考える多様な事業を展開しています。

・ミガキイチゴ生産販売事業

・いちごの食文化事業

・いちごのテーマパーク事業

・新規就農支援事業ミガキイチゴアカデミー

gra-inc.jp

株式会社GROWTH JAPAN TECHNOLOGIES

AI・ソフトウェア開発を手掛ける。

www.growth-japan.com

 

株式会社NTTデータ東北

株式会社NTTデータの100%子会社。

事業内容
  • 情報システムの開発および保守の受託、販売
  • 情報システムに係わるソフトウェアまたはハードウェアの開発および保守の受託
  • 情報システムに係わる建設工事並びにその他の建築工事および設備工事の請負
  • 前各号に関する企画、調査、研究、研修およびコンサルティングの受託
  • その他前号に関連する一切の業務

www.nttdata-tohoku.co.jp

株式会社ワイヤードビーン

デジタルソリューション事業とデジタルマーケティング事業をメインに手掛ける。

  • クラウドインテグレーション
  • D2C構築・運用サポート
  • 大規模EC構築

WiredBeansは、自社ブランドでのDXの実践ノウハウを元に、スピード感を持ってお客様のDX推進を支援しています。
特にEC分野においては、コスメやアパレル、スポーツブランド等、Salesforce Commerce Cloudを使ったECサイト構築とサポートにおいて、 日本でトップクラスの実績を誇ります。Salesforce認定の「CommerceCloudDigitalデベロッパー」資格を有したスタッフも多数在籍しており、確かな実績と豊富なノウハウをもって、デジタルコマース領域のプロジェクトを成功に導きます。

  • 日本各地の職人との連携した製品づくり
  • 自社でのEC・CRM運用
  • DXの実践

「デジタル×ものづくり」を実践することにより、お客様と職人との関係を構築し、日本の文化であるものづくりの伝統と職人の技のすばらしさを伝えていきます。 主力商品である「生涯を添い遂げるグラス」「生涯を添い遂げるマグ」は、海外を含む多くのAwardを受賞しています。
ブランド運営においては、Salesforceのソリューションを活用したデジタルマーケティングを実践。そのノウハウはお客様にも提供していきます。

www.wiredbeans.co.jp

 

大阪万博の記録メモ

 

Tier表

石黒館はエンタメ/万博要素/テーマ性全てが高水準。

nullは波動を扱うアーティスト落合陽一さんのプロデュース力を見せつけられた。自分が目指すところという意味合いもある。

(逆に言うと一般的には評価下がりそう)

万博サウナは休憩スポット的な意味でも行くべき所。昼に行ってゆっくりし、ポカリも貰え、エネルギー補給できて良かった。

未来の都市(シアター付き)は案内人のお姉さんの演技に引き込まれた分がプラス。チェコ館は作品が自分の感性にビビッと来たのが大きい。

備考

ポーランド館はコンサート参加が大きい

・未来の都市はシアター付き

・よしもと館はヒーローショー視聴。

ここにないもの

・チリ館:無料でワイン会に参加できた。

・ロボット館:前で南極の氷触れた。

・夜の地球

・フューチャーライフ展示

 

1回目:5/8(木)

・未来の都市(3日前予約)
・フューチャーライフ展示(JAXAなど)
・各国施設
・NTT館(当日予約)
・いのちの未来(当日予約)
・太陽のつぼみサウナ(7日前予約)
・チリ館でワイン会
ポーランド館でコンサート(当日予約)
ガンダム(当日予約)

2回目:9/20(土)

コモンズc

(昼食:スシロー のテイクアウト)

国連

大屋根リング

吉本ヒーローショー

関西パビリオン

石黒館(自分の分のみ当たった+前に行ったので相方に譲った)

3回目:9/21(日)

カタール

アラブ首長国連邦

ロボット&モビリティ

トルクメニスタン

チェコ

(昼食: サムライカレー)

大阪ヘルスケア

ウーマンズパビリオン

null2

(夕食: スシロー+スペイン館のチェロス)

ドローンショー

松尾研講座「AIと半導体」第7回 ハードウェア設計論

天野英晴

東大システムデザイン研究センター(dlab)特任研究員

(慶応大学理工学部を定年退職)

Agile-Xプロジェクト

→簡単にASICを設計できるようにする

「マンガでわかるデジタル回路」が一番売れた本

www.agile-x.t.u-tokyo.ac.jp

 

本日の講義内容

・HWを設計する方法について紹介する

・HDLの記述からチップ作成までを実演してみる

・HDLを使ってみる

RISC-VをVerilog HDLで設計しちゃう

 

前置き

今でも多くの大学はデジタル回路の講義で「ブール代数、式変形による簡単化、組み合わせ回路設計、順序回路設計」を習う。

→しかし、現代のHW設計とはあまり関係ない。これらは全部CADでやるので人間は関知する必要はない。大学でやるのは授業がやりやすい、教員が古く実際にHW設計をやっていないから(?)

 

設計の進化

  1. 回路図を紙に描いた設計
  2. CADでスケマティック設計
  3. HDL設計
  4. HLS設計
  5. AIによる自然言語での設計(未来?)

HDLは完全にスケマティック設計を置き換えた。しかしHLS設計はHDL設計の進化系ではなく、タイミング制御など力を合わせる必要がある。

 

RTL(Register Transfer Level)記述とは

それぞれのクロックの立ち上がりで、レジスタ間(入力・出力)でデータがどのように流れ、どのように処理されるかを記述する。

RTL言語の選択

2大勢力はVerilog-HDLとVHDL

Verilog-HDLとVHDLの比較
  Verilog-HDL (System-Verilog) VHDL
出自 論理シミュレーション記述 仕様書
標準化 デファクトスタンダード 国際標準
記述 Pascal風(嘘) PL/I → ADA
特徴 広い範囲でシミュレーションが可能 記述が厳格

・その他

System Verilog

Verilog HDLの上位互換。Systemと付いているがSystem記述言語ではない。

PALTEKのブログがお勧め。

www.paltek.co.jp

Chisel

UC Berkeleyで開発されたScala関数型言語)ベース。

HDLではなくhardware construction languageと称している。RISC-VのIPが沢山作られており、一時期RISC-Vと言えばChiselと言われる。実際にはVerilog HDLを吐き出すのでデバッグが大変。

RISC-V協会の本がおすすめ。

riscv.or.jp

System記述言語とは

System-CやSpecCなど。

プロセッサとHWに分けたシステムをHW-SWコデザインの考え方で設計する。かっこいい考え方だが大変で最近はあまり使われていない。

 

HDLの記述からチップ作成を実演してみる

デモ!

HDLを使ってみる

環境構築

以下サイトを確認。

hunga.sblo.jp

https://drive.google.com/file/d/1ZJS7Ry0cc3Jcs-
5XzDvY3masKOoqbjy-/view?usp=sharing

• aisemi.tarをダウンロード

Verilogの基礎文法

・HWモジュールはモジュール文で定義(C言語に似てる)

・aasign文は信号の「接続」あるいは「出力」を示す。

複数のassign文は同時並列で実行される。書く順番はどうでもよい!

・test.v(テストベンチ):シミュレーションでの検証用

(訳が分からない記述に満ちている、Verilog理解の障壁)

Verilog-HDLのシミュレーションツール

・icarus verilogを利用

コンパイル型のフリーSW。

×遅延付きシミュレーションができない、System Verilogを受け付けない。

他の選択肢:Verilator、modelsim、isim、Xcellium

・gtkwaveを波形Viewerとして利用

フリーSW。基本的な機能を持つ。有料の物より少し使いにくい(?)

他の選択肢:cadence simvision

 

RISC-VをVerilog HDLで設計

講義では詳細は省略。詳細は以下を確認。

www.agile-x.t.u-tokyo.ac.jp

https://www.agile-x.t.u-tokyo.ac.jp/hunga/compsys/pdf/rvmicro.pdf

rv32i.vがCPUの本体なので、これを読めればOK。

 

命令実装

RISC-Vは命令フィールドをそのまま回路に接続できる構造が特徴。複雑な制御を最小限に抑えられる。


命令の流れ
項目 内容
レジスタ指定 命令コード内の rs1, rs2, rd をレジスタファイルのポートに直接接続
演算指定 func3 フィールドが ALU の演算種類を選択
メモリアクセス(アドレス計算) データメモリのアドレスは ALU 出力(ディスプレースメント計算結果)を使用
メモリ書き込み入力 レジスタファイルのポート2出力をそのまま接続
命令分類 opcode (0〜6bit目) で命令種別を分類し、デコード信号 (xx_op) を生成して各マルチプレクサを制御

ポイント
  • 命令フィールドと回路が素直に対応

  • ALU やメモリの利用方法が一貫

  • opcode により命令種別を即判定可能

  • デコード回路が簡潔


RISC-V命令実装の特徴
  • 「そのまま繋ぐ」構造が多い

  • 制御が単純で実装しやすい

  • シンプルなISA設計が教育用途や研究向けに適する

 

まとめ、感想

HW設計の現状とRTL設計の具体例を説明した。

HDLは、プログラミング言語というよりも論理合成系への指示。ひたすらイディオムに従って書く。

最近はGAFAやOpenAIなどSW企業が自社でチップを開発している。NVIDIASamsungTSMCなどのHW設計者の給料もあがっている。皆さんもHW設計者を目指そう!

資料が著者の意見に溢れてて大変面白かった。○○は良い、○○は良くないなどこういった個人の意見を聞けるのは貴重な機会で楽しい。

1章のハードウェア設計はよくわかったが、2章からのHDL記述は、自分で手を動かしていないこともあり、正直ピンとこなかった。講義の時間が限られるので仕方ないが、、

もう少し活用するSWやエコシステムの全体像について、図や歴史も交えて聞けると、残るものは増えたかもしれない。

ただ、学ぶべき種(用語、SW名、環境名、分類、参考資料など)は沢山得られたので、自学自習を頑張りたいと思う。

 

おすすめリンク、資料

LiteX: 眼鏡止水さんのブログがいい、とのこと。

github.com

PULP (Parallel Ultra-Low-Power) is an open-source multi-core computing platform part of the of the ongoing collaboration between ETH Zurich and the University of Bologna - started in 2013.

iis.ee.ethz.ch

github.com

Agile-XのHPに授業資料を含む全てのマテリアルが置いてある

www.agile-x.t.u-tokyo.ac.jp


Verilog-HDLの本はたくさんあるが、やはりHarris&Harrisをお勧め
する。この本ではRISC-Vの完全な記述が載っている。これをAgile-XのHPの
天野の記述と比較すると、両者の違いがわかると思う。

www.am.ics.keio.ac.jp