絶対ロリコンだとばかり…「ハチクロ」誤解中。
少女マンガが幼女の読むマンガから脱皮して数十年の歳月が過ぎました。日本では純粋幼女から純粋老青年まで幅広い読者層を抱えています。表の顔が量産技術システムを支えてきたドラゴンボールやポケモンだとしたら一方で精神面の高度化を裏打ちさせてきたのが千変万化の乙女心の支持を得た少女マンガ群でしょう。
「ハチミツとクローバー」は典型的な少女マンガ。注目作ではあるけれど、話題作でも問題作でもない。むしろ少女マンガの世界では凡庸といってもいいほど「ふつうの」作品だし、アニメもそれを超えた表現をしている訳でもない。
しかし、アニメが少女マンガを完璧に消化できることを実証した数少ない作品であり、当たり前に「フツーの少女マンガ」をやっているけど、他国が逆立ちしても出来ないことを苦もなくやっていることでは映像界の奇跡と評価できるのではないだろうかと、密かに思っています。
この作品一作だけを評価するのではなく、ここまで歩んできた少女マンガとアニメという普通考えれば相容れない概念をすんなりと融合させ醗酵させることに成功してるということへの正当な評価と思っていただきたいのです。
何とも永い醸造期間われわれはこういう作品が完成するのを我慢してきたことか。それは「王朝文学」「浮世絵」や「アニメ」が日本のみならず世界に認知されていく過程に酷似しています。国内では当たり前のこととして注目もされていないが、作品を作り上げてきたそのユニークさ、創造性は他国の追随を許さないのです。
「ガタガタ言うな兎に角見やがれ!」という様な乱雑、ツッケンドンな対応ではなく、やんわり静かに「こういう物語を作りました。お口に合わないかも知れませんが、一口だけでも食べていただければ幸せです。」という物言いになるわけです。
公式ホームページは以下の通り
http://www.hachikuro.net/
http://comics-news.shueisha.co.jp/common/hatikuro/
http://annex.s-manga.net/hachikuro/main.html