カテゴリー「共謀罪反対!」の記事

【共謀罪】亀井静香国民新党代表代行も共謀罪に反対

亀井静香国民新党代表代行も共謀罪に反対

2006年5月19日、亀井静香国民新党代表代行がインタビューに答え、共謀罪に反対する意思を表明した。

 亀井代表代行は、「(自白)調書をとられれば、公判で『違う』と言っても、裁判官は認めてくれない。調書にサインしなければ、釈放されない。そういう状況で共謀罪がつくられるのは危険」「国民のほとんどはアホ。おもしろい味つけをすれば、飲んでくれる。小泉(純一郎)さんはそれを利用している」などと率直に語った。

 撮影は林克明氏(ジャーナリスト)、編集は三宅勝久氏(同)。

 なお、さらに詳しいインタビューが『週刊金曜日』(2006年5月26日号)に掲載される。

(出典)ブログ「共謀罪反対」より 
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元警察官僚の亀井静香氏も共謀罪には反対のようです。

ご指摘はごもっとも。刑事手続きの実態と運用を踏まえないで、実体法に関する議論をしても始まりません。

これで、共謀罪政府案賛成=政権与党/警察・法務当局=法の解釈・適用権限を握っている側という構図がはっきりしてきました。

民主党も、国際組織犯罪防止条約に賛成したこと自体を反省し、総論賛成/各論反対のようなぬえ的な議論は止めて、「共謀罪にはノー」と強気で臨んで貰いたいものです。

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【共謀罪】5月19日の強行採決回避の不思議

共謀罪 着地点見えず 与党一転採決先送り 国会空転懸念 民主、肩透かし

 「共謀罪」新設を柱とした組織犯罪処罰法改正案をめぐり、自民、公明両党は19日、河野洋平衆院議長の仲介で民主党と会談、同日中に予定していた衆院法務委員会での採決を先送りした。強行採決に対し、民主党は審議拒否も辞さない姿勢を示していたが、国会混乱を懸念した議長の「仲裁」で与党が譲歩した格好。これを受け、与野党ともに法案の修正協議を続ける意向だが、着地点は見えていない。

 同日午後の会談には、3党の国会対策委員長が出席。河野議長が「国会が不正常な状態になることを避けるため、与野党間で十分協議してほしい」と採決見送りを要請し、与党側はすんなりと受け入れた。表向きは議長が与野党に呼び掛けた格好だが、実際は与党による演出だった。

 与党は17日に医療制度改革関連法案を強行採決したばかり。小泉純一郎首相も同日の党首討論で「審議には十分時間をかける」と約束しており、再びとなれば「巨大与党の横暴との批判を招きかねない」(国対幹部)との判断があった。

 また会期末が6月18日に迫ったこの時期の国会空転となれば、重要法案処理に影響が及ぶのは必至。与党は表向きの強気を装いつつ「軟着陸」の道を選択した。一方の民主党は、共謀罪をめぐる党の主張には「世論の後押しがある」とみて全面対決のシナリオを描いていただけに肩透かしを食った格好。国対幹部は「戦略の練り直しが必要になった」と漏らす。

 民主党は、対象となる犯罪を「5年超の懲役・禁固」「国際的犯罪」に限定するよう主張、「丸のみしていただければ賛成する」(鳩山由紀夫幹事長)と譲らない構え。ただ、与党側は「国際的組織犯罪集団の活動の未然防止にならず、条約の規定にも反する」と反論し、隔たりは大きい。

 「必ず成立させなければならない」(細田博之・自民党国対委員長)との姿勢を崩していない与党は、修正協議を続けつつ来週以降、世論の動向もにらみ採決のタイミングを見極める構えだ。

■共謀罪

 殺人など重大犯罪の実行行為がなくても謀議に加わるだけで処罰可能となる罪。2000年に国連が採択し政府が署名した「国際組織犯罪防止条約」が参加国に創設を求めた。政府は03年の通常国会に法案を提出したが、日弁連は構成要件が分かりにくく、犯罪とは無関係の市民団体も規制されかねないと批判。野党の反対により継続審議や廃案を繰り返し、3回目の提案となった昨年の特別国会で継続審議になっていた。
 =2006/05/20付 西日本新聞朝刊=

2006年05月20日10時49分

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ご存知のとおり、5月19日の法務委員会における共謀罪の強行採決は回避されました。首相官邸筋からの働きかけがあったことは間違いありません。

数の上だけでは、何でも出来る筈の巨大与党を躊躇させたものは何でしょうか?

可能性① 世論の後押しを受けて民主党が審議拒否にはいると行革関連法案の成立が危うくなる

可能性② 10月の神奈川16区補選への悪影響

可能性①だとすれば、行革関連法案が参議院本会議を通過してしまえば、与党は心置きなく、強行採決が出来ることになります。そうすると、5月26日以降、再び危険水域へと突入です。

可能性②だとすれば、世論の関心を共謀罪に引き付けている限り、10月までは採決を引き延ばすことが出来ますから、共謀罪を廃案にする可能性は残されている訳です。
さらに、世論を沸き立たせることが出来れば、共謀罪を来年の参議院選挙の争点にすることが出来るでしょう。
自民党が歴史的な大勝を飾った、昨年の衆議院選挙では、共謀罪は争点にはなっていませんでしたから、共謀罪は、初めて、民意の判断を仰ぐことになる訳です。

可能性①については、どう対処できるのか分かりませんが、可能性②であれば、まだまだ逆転の見込みはあります。強行採決回避で、反共謀罪のキャンペーンの矛先を鈍らせれば、まさに巨大与党の思う壷です。この盛り上がりを、何とか来年まで続け無くてはなりますまい。

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【統一協会】【共謀罪】どうやら統一協会は共謀罪を支持しているようです

統一協会系メディア「世界日報」2006年5月14日付 社説より

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共謀罪/与党再修正案で成立させよ
 犯罪組織が凶悪な犯行を計画しているのにそれを未然に防げず、これまでどれほど多くの人が犠牲になってきただろうか。
 こうした犯罪組織に各国が連携して立ち向かおうと、共謀罪や参加罪が存在しない国は新たにそれを設けることになった。それが今国会で審議されている組織犯罪処罰法改正案である。

恣意的な反対論飛び出す
 共謀罪をめぐってはさまざまな異論もあるが、いつまでも犯罪組織に甘い顔をしていては国民の生命が脅かされるばかりか、世界から不信を買うことになる。与党は異論に配慮して再修正案をまとめたが、同案を今国会で成立させるべきである。
 国際社会では現在、テロ組織による無差別テロだけでなく、暴力団やマフィアなどの麻薬密輸組織が国際ネットワーク化し、国境を越えた凶悪事件も多発している。これら凶悪犯罪を未然に防ぐのは世界的な課題だ。

 わが国もこのことを地下鉄サリン事件で嫌というほど味わったはずだ。また麻薬密輸組織は近年、日本市場をターゲットに侵食し青少年にも薬物汚染が広がっており、この取り締まりも焦眉(しょうび)の急となっている。

 そこで国連では、世界各国が連携してテロ組織などを取り締まるために「国際組織犯罪防止条約」が採択された。わが国は二〇〇〇年に同条約に署名し、〇三年の通常国会で与党だけでなく民主党も賛成して承認された。

 この条約は取り締まりを実効性のあるものにするため、各国に重大犯罪に対する共謀罪もしくは参加罪の創設を義務付けており、国内法を整備しなければ条約を締結できない。そこで、組織犯罪処罰法に共謀罪を新たに盛り込むことになったのだ。

 こうした背景があるにもかかわらず、一部マスコミや野党から「一般市民も飲み屋で相談しただけで捕まる」「内心の自由すら認められない」「六百十九もの罪が対象になっており、暗黒社会の再来だ」といった恣意(しい)的な反対論が飛び出し、それに引きずられて国会審議が暗礁に乗り上げている。

 そもそも組織犯罪処罰法は「共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、行為が組織により反復して行われるもの」を対象団体と規定しており、共謀罪はその団体の活動として犯罪を行う共謀をした者を取り締まるものだ。

 それに六百十九の罪が対象なのは、国際犯罪防止条約が四年以上の懲役刑などを科す犯罪を「重大犯罪」と定めており、それを日本に適用すれば六百十九の罪が対象になるからだ。意図的に対象が広げられたわけではない。

 しかも適用されるのは、あくまでも犯罪組織が行う六百十九の罪に対する共謀である。だから、一般市民には無縁の話だ。

 それでも与党は反対論に配慮して、共謀罪の適用対象をテロ集団、暴力団などの「組織的な犯罪集団」に限定する再修正案を示し、さらに共謀しただけでは罰せず、共謀した者の誰かが実行の下見や凶器購入の資金調達が行われるなど外部的な行動をした場合のみを処罰するとした。

国際公約を実行すべし
 さらに留意事項として条文に「思想・良心の自由を侵すことや、団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない」と明記するとしている。この与党案で杞憂(きゆう)は晴れるのではないか。犯罪組織による凶悪犯罪を防ぐ国際公約を実行し、同時に国民の安寧な生活を守るために共謀罪を早期に成立させるべきである。
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霊感商法について、警察が取り締まらないのをいい事に随分と増長しているようです。
統一協会が信仰の名の下にどれだけの被害者を出してきたか・・・。統一協会こそが国民の安寧な生活を脅かしてきた存在です。

霊感商法が詐欺罪なり恐喝罪なりで立件されてさえいれば、統一協会はまさに「共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、行為が組織により反復して行われるもの」として、一発でアウトなのですが。

「自分達には関係がない!」という非常に強い自信がなければ、与党の再修正案を高く評価したうえで、「国際公約を実行すべし」と、ここまで強気かつ呑気には書けませんな。しかも、野党や弁護士会などによる批判について「恣意(しい)的な反対論が飛び出し、それに引きずられて国会審議が暗礁に乗り上げている。」とまで酷評しています。

民事訴訟による対応が有効にダメージを与えていないこと、統一協会問題に対して民事的な対応の限界が来ていることを強く感じさせてくれる社説でした。

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【共謀罪】「将来に禍根残すな」=共謀罪法案に反対集会-東京

「将来に禍根残すな」=共謀罪法案に反対集会-東京

 「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案に反対する民主党議員や市民らが28日、東京都千代田区の衆院第二議員会館で集会を開き、「政府案、与党修正案を廃案に追い込もう」と気勢を上げた。
 集会では経済評論家の森永卓郎さんが「個人の心情の自由、発言の自由を破壊する恐れが少しでもある法案を通してはいけない。将来に大きな禍根を残す可能性が強い」と訴えた。
 同党の菅直人代表代行は「日本は監視社会に近づいている。無限の拡大解釈の可能性がある今の形では、法案を通すわけにはいかない」と強調した。 
(時事通信) - 4月28日19時1分更新

私も所属するリンク総合法律事務所の所長である紀藤正樹と一緒に参加してきました。

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共謀罪が衆議院において審議入り 強行採決を許すな!

私はこれまでに、児童ポルノ規制に名を借りたマンガ、アニメ規制や青少年健全育成を口実とした「有害」な情報や表現の規制に反対してきました。何故ならば、「表現/コミュニケーション」と「行動」は厳密に区別されるべきものだからです。犯罪に関する「表現/コミュニケーション」と犯罪そのものは明らかに違います。

しかしながら、共謀罪(より正確には、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)というのは、人と人とのコミュニケーションに国家が介入することを認める法律であり、さらに言えば、人と人とのコミュニケーションそのものを「犯罪」として処罰することを可能にする法律です。人の内心や思想を、直接に処罰するものではないですが、人と人とのコミュニケーションそれ自体を処罰することによって、間接的に、人の内心や思想を処罰することにつながりかねません。

共謀罪が成立した後の世の中は、表現の自由は当然のこと、思想・信条の自由も認められない世の中になることは必然です。

おそらく、政府としては、共謀罪制定後、人と人のコミュニケーションを詳細に把握する手段がなければ、共謀罪の取り締まりの実効をあげることができないという理由で、盗聴法(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律)の基準を緩和して警察が盗聴をしやすくしたり、潜入捜査(捜査員を組織にスパイとして潜入させること)を含むおとり捜査を法律で合法化することを目論んでいるものと思われます。

我々は、少しばかりの安全のために、表現の自由やプライバシーを売り渡してもいいのでしょうか?

They that can give up essential liberty to obtain a little temporary safety deserve neither liberty nor safety.
-Benjamin Franklin-

一時の安全を求めるために、自由をあきらめる者は、自由、安全の何れにも値しない。(ベンジャミン・フランクリン

という、イギリス国王と議会による圧制に抵抗した先人の言葉を今一度思い出す必要があります。

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