人体へのエタノールの作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 05:04 UTC 版)
人体へのエタノールの作用(じんたいへのエタノールのさよう)では、飲酒などによりエタノールを摂取したことによる、人体に対する医学・生理学的影響について述べる。
摂取
人間がエタノールを摂取するケースは主に経口であるが、まれに経皮、注射などもある。
- 経口
- 酒のほか、発酵食品や、料理酒等を使った食品でも摂取される。飲食物以外では、急性グリコール中毒を防ぐために服用されることがある。また、誤飲事故も多い。経口摂取したアルコールは、主に胃と小腸粘膜で吸収される。
- 経皮
- 化粧品(化粧水など)やヘアケア製品(育毛剤、整髪料、シャンプーなど)に、薬効成分の吸収を促進するなどの目的で使われ、一部が吸収される。ごく少量のため酩酊や健康上の問題を引き起こすことはないが、皮膚に悪影響を及ぼすことがある。
- 皮膚に使用した際の毒性の詳細は湿潤療法の概説を参照。
- 注射
- 肝癌治療で、患部にエタノールを注射することがある。
代謝
体内ではアルコールを貯蔵する仕組みがないので、(肝臓の代謝量以内であれば)その90%以上は速やかに肝臓で代謝される(もちろん肝臓の代謝量を超えた分は血中エタノール濃度を上昇させる)。
エタノールを初めとしてアルコールの代謝には、大きく2つの酵素が関係している。アルコールデヒドロゲナーゼ(アルコール脱水素酵素)とアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アルデヒド脱水素酵素)がある。いずれの酵素も基質特異性が低く、エタノール以外のアルコールも酸化し、水素はNADやNADPに供与されNADHやNADPHを生成する。
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