関係格/斜格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 02:25 UTC 版)
一方の関係格の用法は多岐にわたるものとなっている。まず、限定的表現を用いた際に被修飾語の前に付加される用法が挙げられる。 例: wíst t-cítx° グロス: 高い rel-家 訳: 「高くそびえ立つ家」 また、関係格は自動詞の目標・目的語(英: goal-object)を示すためにも用いられる。 例: m-ck°néməs t-cít̓ グロス: ptl-取る rel-ピッチ 訳: 「彼はピッチを手に取った」 更に、受け身の動詞が存在する場合、動作主を関係格、主語となる被動者を絶対格で表す。 例: m-cúnt-ø-m-əs γ-sq°yíc t-x̌°ʕ°élmx グロス: ptl-教える.trans-3obj-pass-3 abs-兎 rel-狐 訳: 「兎は狐に教えられた」 他には λʕ°ílx t-tqéltk 〈彼は高く跳んだ〉のような「副詞的」用法が存在するが、これには場所(英: local)、向格(英: allative)、結果格(英語版)(英: factitive)も含まれる。 場所を表す用法の例: l-wʔe~ʔ~x-wn t-sk°lk̓°élt グロス: abs-居る(red)-1sg.s rel-雪山 訳: 「私が雪山にいたとき」 向格的用法の例: né~n~s-kn t-Williams Lake グロス: 行く(red)-1sg.s all-ウィリアムズ湖(英語版) 訳: 「私はウィリアムズ湖に行った」 結果格的用法の例: m-k̓°últ-əs t-stíq̓səλ グロス: ptl-変わる-3 rel-鱒 訳: 「彼らは鱒に変身してしまった」 また、関係格の t- は知覚動詞(ラテン語: verba sentiendi et declarandi)の後に続く接続詞としての機能も有する。 例: clx̌mstés t-m-ckí~k~cx-kn グロス: 知る rel-ptl-着く(red)-1sg.s 訳: 「彼は私が着いたと知っている」 なお、直接話法を表す用例も確認されている。 例: cúnt-ø-m t-m-q°əl-n-cí-n グロス: 言う.trans-3obj-pass rel-ptl-伝える-trans-2sg.obj-1sg.sbj 訳: 『彼女は彼に「君には伝えたよ」と言われた』
※この「関係格/斜格」の解説は、「シュスワプ語」の解説の一部です。
「関係格/斜格」を含む「シュスワプ語」の記事については、「シュスワプ語」の概要を参照ください。
- 関係格/斜格のページへのリンク