長編概説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 05:53 UTC 版)
長編の忍法帖作品は、基本的には連載終了後に単行本化された。長編は約28作品(忍法帖に入るか議論の分かれる作品あり)あるとされる。山田自身は、長編が31作と言及している。 1969年から翌年にかけて週刊文春で連載された『忍法創世記』のみ、『山田風太郎コレクション』(出版芸術社、2001年)第2巻で単行本化され、2005年に小学館文庫に収められた。当時出版されなかった理由は、出来が悪いと著者が判断し単行本化を拒否していたためと言われたり、または天皇と三種の神器、いわゆる皇室タブーを扱っていたためと解説する評者もいる。 1970年代後半より、角川文庫から佐伯俊男による官能的な表紙絵(文庫カバー)の山田風太郎作品(赤紫の背表紙で揃えている)が、忍法帖を中心に発売された。さらに1981年『魔界転生』の映画化がきっかけで再び忍法帖は脚光を浴びる。現在ではほぼ絶版だが、『忍法剣士伝』と『おんな牢秘抄』は2008年現在も販売中。(角川文庫のラインナップにないのは、「魔天忍法帖」「忍法創世記」「武蔵野水滸伝」「柳生十兵衛死す」) 角川文庫の表紙で『くノ一忍法帖』、『忍法忠臣蔵』(「『忍法歓喜天』で美少年に換わる能登くノ一」(1976年)と「『忍法蜘蛛の糸巻』で蝶を捕獲する能登忍者」(1984年異装版)など)は佐伯イラストが複数ある。『魔界転生』と『伊賀忍法帖』は佐伯イラストと映画グラビアの二通り。また、1984年以降の『外道忍法帖』、『忍法剣士伝』、『秘戯書争奪』、『おんな牢秘抄』、『叛旗兵 妖説直江兼続』 からは、表紙カバーが光沢紙になり、佐伯イラストの輪郭が細かい描写に代わる。 その後、2003年の『魔界転生』の再映画化に伴い寺田克也による表紙で『甲賀忍法帖』などが復刊した。なお、1990年代に講談社が忍法帖の大半の作品(17長編・作者による自選短編集)をノベルスで出版。1998年から翌年にかけて、一部が天野喜孝の表紙で文庫化(全14巻)され、ノベルスは絶版となった。
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