重機関銃とは? わかりやすく解説

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じゅう‐きかんじゅう〔ヂユウキクワンジユウ〕【重機関銃】

読み方:じゅうきかんじゅう

重量比較大きい、数人で扱う機関銃命中精度高く長時間連続射撃が可能。重機。→軽機関銃


【重機関銃】(じゅうきかんじゅう)

人が持ち運びながら使用することができず、陣地などに固定され使用される大型機関銃
地面据え場合三脚などを用いることが多いが、車輌艦艇ヘリコプターなどに搭載する場合専用架台銃架)を設ける。
また戦車でも、砲塔上面銃架設けられるのに加え主砲の傍に同軸機銃として据えられることが多い。

かつては戦闘機などの固定武装として搭載されることも多かったが、近年では機関砲用いることが多い。
近年航空機で重機関銃を固定装備するのは、汎用ヘリコプター武装施して簡易な攻撃ヘリコプターガンシップ)とする場合がほとんどである。

関連汎用機関銃


重機関銃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/08 00:21 UTC 版)

重機関銃(じゅうきかんじゅう、: Heavy machine gun, HMG)は、現代においては比較的質量が大きく、小銃弾よりも大口径の弾薬を使用する機関銃のこと[1]。「重機」と略称される。

当初は、歩兵部隊とともに攻撃前進できる軽機関銃に対して、陣地に据え付けられて主に防御のために用いられる機関銃がこのように称されていたが[2]、後に中機関銃というカテゴリが派生すると、大口径であったり水冷式であったりするために重く嵩張るものが重機関銃のカテゴリに残されることになった[3]。当初期待されていた対戦車兵器対空兵器としては既に主役の座を退いているが、装甲戦闘車両の副武装や、その他の軍用車両軍艦の自衛用武装として、依然として広く用いられている[4]

概要

第一次世界大戦の開戦直後、西部戦線において戦線が膠着し、戦いが塹壕鉄条網に代表される陣地戦に移行すると、陣地防御において機関銃が極めて有効であることが明らかになった[2]陣地攻撃に先立つ入念な準備砲撃でも防御側の機関銃を完全に撲滅することは困難で、そしてたった1挺の機関銃でも旅団規模の突撃をも食い止めることができた[2]。これに対抗するため、攻撃を行う歩兵部隊は細分化して散開し、地形・地物を利用しながら前進するようになっていった[2]。そして疎開隊形の歩兵部隊とともに前進して攻撃に加われる機関銃として登場したのが軽機関銃であり、従来の機関銃は重機関銃と称されるようになった[2]レトロニム)。またその後、重機関銃のうち空冷式で比較的軽量なものは中機関銃と称されるようになると、大口径であったり水冷式であったりするために重く嵩張るものが重機関銃のカテゴリに残されることになった[3]

大口径の重機関銃は、元来は対戦車兵器対空兵器として開発されたものであった[5]。例えば、ドイツ帝国ではMG08重機関銃をもとにマウザー M1918対戦車ライフルの弾薬を使うように大型化した重機関銃 (MG 18 TuFを、またアメリカ合衆国ブローニングM1917重機関銃をもとに大口径化するとともに改良を加えたブローニングM2重機関銃を開発した[5]。その後、戦車航空機の発達に伴って、戦間期の時点で既に対戦車兵器としては威力不足になっており、また対空兵器としても、低高度で性能が低い航空機に対する自衛用に限られるようになっていた[6]。しかし大口径の機関砲と比べると簡便でありながら、小銃弾よりは強力な火力を発揮できることから、装甲戦闘車両の副武装や、軍用車両軍艦の自衛用武装としては引き続き広く用いられた[4]

一方、歩兵用機関銃としては大きく重すぎると考えられ、その他の火力支援手段が充実したこともあって、第二次世界大戦後の一時期、装備数を減らしていた[7]。しかし1982年フォークランド紛争において、しばしばブローニングM2重機関銃を陣地の防衛に用いたアルゼンチン軍に対して、同クラスの機関銃を配備していなかったイギリス軍地上部隊が苦戦を強いられたという戦訓もあり[8]、このような火点や軽装甲車両と長距離で交戦する場合の有用性が再認識されるようになった[7][注 1]。またアメリカ軍では、連射可能な自動擲弾銃も重機関銃のカテゴリに含めている[10]

重機関銃一覧

小銃弾を使用する重機関銃 (後の中機関銃)

大口径弾を使用する重機関銃 (狭義の重機関銃)

自動擲弾銃

脚注

注釈

  1. ^ 超長距離の狙撃のために用いた事例もあり、ベトナム戦争でのカルロス・ハスコックの例が有名である[9]
  2. ^ ブローニングM1917は水冷式で嵩張るが、後には中機関銃に分類されるようになった[3]

出典

  1. ^ 弾道学研究会 2012, p. 761.
  2. ^ a b c d e 樋口 2008.
  3. ^ a b c McNab 2018, pp. 8–10.
  4. ^ a b Rottman 2010, pp. 52–55.
  5. ^ a b Rottman 2010, pp. 8–13.
  6. ^ Rottman 2010, pp. 48–51.
  7. ^ a b 床井 2006, p. 76.
  8. ^ 防衛研究所戦史研究センター 2014, pp. 299–318.
  9. ^ Rottman 2010, p. 62.
  10. ^ MCWP 3-15.1 Machine Guns and Machine Gun Gunnery”. U.S. Marine Corps. 2021年4月24日閲覧。

参考文献

関連項目


重機関銃(M2重機関銃 / DShK38重機関銃 / M60D汎用機関銃)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 06:33 UTC 版)

マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス」の記事における「重機関銃(M2重機関銃 / DShK38重機関銃 / M60D汎用機関銃)」の解説

一部車両防衛地点備え付けてある機関銃

※この「重機関銃(M2重機関銃 / DShK38重機関銃 / M60D汎用機関銃)」の解説は、「マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス」の解説の一部です。
「重機関銃(M2重機関銃 / DShK38重機関銃 / M60D汎用機関銃)」を含む「マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス」の記事については、「マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス」の概要を参照ください。

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重機関銃

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 00:01 UTC 版)

名詞

 機関銃 (じゅうきかんじゅう)

  1. 比較重量があり兵士一人では携行できず、二脚三脚固定したり、車両銃架積載操作数人で行う大型機関銃

発音(?)

じゅ↗ーきか↘んじゅー

翻訳



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